マクロビオティックコラム

無月経を吹き飛ばす恋のパワー~パティシエの妹の月経再来に学ぶ

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私には、東京で一人暮らしするパティシエの妹がいる。洋菓子作りを生業に選ぶだけあってお菓子が大好き。市販のチョコパイでもリッチなケーキでも大福餅でも何でもござれだ。

毎日のように白砂糖を摂っている妹は、当然のごとく婦人科系に異常が出ていた。元々経血量も少なく、弱々しい月経だったのが、二年前からぱったりと来なくなってしまっていたのだ。(*1)

二年前といえばちょうど菓子の専門学校に入学した頃。実習で作ったケーキをワンホール持ち帰ってきて食べるなんて日々がスタートした時期と重なる。

就職が決まって働き始めても、妹の月経は戻ってこない。マクロビオティックを学んだ私は妹に「白砂糖が原因だよ。白砂糖をなんとか食べないでいて」「玄米食べてる? ゴボウとかカボチャもいいよ」とアドバイスを続けた。

だが、こと白砂糖に関して、妹は甘かった。わかっていても、どうしても食べてしまうというのだ。職場で売れ残ったクッキーを持たされれば、帰ってきてつまんでしまう。疲れれば、ついケーキ屋に立ち寄ってしまう。一日の半分は清く正しく生活できても、残り半分でお菓子に走ってしまう。

パティシエになるくらいなのだ。白砂糖から離れられないのも無理もなかった。

けれど、そんなことでは無月経は治らない。無月経を放置しておけば不妊にもつながりかねないと聞く。私はどうにか妹をマクロビオティック的食事に向かわせようと、メールや電話でアドバイスをした。「味噌汁がいいよ」「せめて黒砂糖のお菓子にしたら?」

数週間後。妹から、「生理が来た」と連絡があった。

私は踊り出しかねないほど興奮した。マクロビオティックの効果だ! 無理矢理ながらも、なんとか食生活を修正しようと努力してきたのが、やっと実を結んだのだ! 私のマクロビオティックに対する理解、病への洞察力も大したものだ! 立派な食医だ! なんて、誇らしい気持ちになりながらすぐに妹に電話をした。どんな食生活を送っていたのか聞くために。

だが妹から返ってきた答えは期待に反するものだった。なんと、玄米はおろか米自体をあまり食べていないという。仕事が忙しすぎて、職場で買ったパンで済ませてしまうことも多いというのだ。

料理をする時間すら取れないのに、玄米を長時間水に浸けて炊いている余裕などないのだという。それに、玄米の味が苦手だとも言う。

アドバイスをしたその場では従順に話を聞いていた妹だから、きっと実行しているのだろうと安心していた。それが実際は、そんな、聞くも無惨なありさまだったとは……。それならいっそのこと玄米ではなく、浸水時間が短くて食味も白米に近い胚芽米にしてでも米を食べた方がいいね……。と脱力しながら話したが、私は疑問だった。

食がととのっていないのに、なぜ月経が戻ってきたのだ?

たわむれに、「ずっと無月経だった人が結婚相手となる男性と出会って初デートしたら月経が戻ったという話を聞いたことがあるけれど、まさかそういうのじゃないよね~?」と聞いてみた。そしたら、「ああ~そういうのかもしれない」とボソッと言うではないか!

ええ~っ? 浮いた話を聞いたことのない妹なのに、いつの間に? 「何、結婚するの?」「結婚とかじゃないけど……。仲のいい同僚はいるよ」

話すと心がちょっとウキウキするような男性の存在が、妹の精神を熱く燃やし、白砂糖で冷え切っていた体まで温めたらしい。

カボチャやゴボウじゃ治せなかったのに、恋が治してくれるってこともあるんだね……。

食物の力だけに頼ろうとしていた私には、そのような精神作用にも治療効果があるということが新鮮だった。

以来、マクロビオティックに対し、もっとバランスの良い接し方ができるようになったように思う。食物の力だけでなく、外部と関わることで生じる精神の力も肉体に影響を及ぼしている。

だから、良い作用を体にもたらせられるよう、食べ物以外のことにも気を配って生きていかなければいけない。

当たり前といえば当たり前のことなのだが……。マクロビオティックのことを突き詰めて考える生活を続けていると、つい食べ物だけがすべてだと思い込んでしまう。

鮮やかなショックを与えてくれた妹の月経再来に感謝。


*1月経不順の原因についてのマクロビオティック的見解は食養療法の紹介『月経困難』参照
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北海道旭川市在住。お茶の水女子大学卒業。

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