マクロビオティックコラム

空腹が薬

シェアする

体の調子が良くないとき、私は、「何かを食べる」ではなく「何も食べない」方向で考える。

特に私の場合は不調の原因が胃にあることが多いから、なおさら「何も食べない=空腹」が大事になってくる。

たとえば前日の夜遅くに食べて、消化しきれず翌日胃もたれてしまったとする。このとき、「胃が重たいからさっぱりさせよう」と何かを飲んだり食べたりすると、胃にさらなる負担をかけることになる。

たとえ体に良いものでも食べない方がいい。まずは消化の時間をじっくりと胃に与え、前日の未消化物を片づけてもらう。

すっかり空腹になってからも数時間は放っておく。傷んだ胃に、修復の期間を与えるのだ。

そこまでするとやっと、自然な食欲が回復してくる。ここで食べ物を食べるわけだが、とりあえずの回復を見せたばかりの胃は病み上がり同然。いきなり普通の食事を摂るのは負担が大きい。

だから、体調悪化の危険性が最も少ない玄米ご飯だけをまずはよく噛んで食べる。玄米ご飯だけではお腹が空くが、胃を養生するのには効果てきめんだ。

このように、空腹を保ちながら、必要最低限の食物だけ摂るようにすることが、体調改善に向けての大きな足がかりとなる。

調子がだいぶ戻ってきたな、と感じたら、少しずつ野菜の煮付けや汁物など、おかずを増やしていくのだ。

具合が良くないときは、絶食して胃を空っぽにし、リセットする。このとき、排泄も伴えばもっと良い。

悪いものをなくしてスッキリさせた体を、中庸の代表格である「玄米ご飯」で基礎からもう一度作り直していく。

空腹が一番の薬である場合がある。

調子が良くないからと対症療法的にすぐ何かを食べようとするのではなく、体の声を聞き、空腹を必要としているのならば何も食べずに我慢する忍耐力を持ちたい。


運営者紹介

マクロビオティック羅針盤」運営者の遠藤です。

当サイトでは、マクロビオティックを初歩からQ&A形式で解説しています

マクロビオティック的に最もお勧めしたい献立「おにぎり・ごぼう汁定食」について「栄養学からも検証済み! 失敗しないマクロビオティック献立は?」で解説しています。

他に、メインブログとして「健康探究ブログ」を運営していますのでよろしければ遊びにいらしてください。

北海道旭川市在住。お茶の水女子大学卒業。

サイト説明詳細・運営者プロフィールはこちら

関連記事

マクロビオティックは誰のもの?

マクロビオティックというものに対して、萎縮してはいませんか? 私は、マクロビオティックというのは宇宙の真理そのものであり、その前に誰もが平等なのだと思っています。誰が近いとか遠いとかいうこともありません。自信を持って、自分だけの学びをしましょう。

マクロビオティック独学のススメ

マクロビオティックは独学が基本だと私は思っている。指導者の書いた本を読めば、直接指導を受けたと同じこと。あとは、日々の実践の中で、知識の定着をはかってゆけば良い。正しい食物を選ぶ判断力はすでに自分の中に備わっていると考え、もっと自分の力を信じることが大切だ。

好きにも嫌いにもなりたくない~マクロビオティックとの距離

マクロビオティックと長いつきあいをするために、マクロビオティックとは適度な距離を保とうと思っています。

マクロビオティックをオープンにしたい~私がサイトを作った理由

マクロビオティックというのはその詳細があまりオープンにされていない。「玄米菜食」という一言では語り尽くせないマクロビオティックの本当のところを知らせるため、このサイトが役立てられたらと思う。

食べ過ぎると風邪をひく

1月に入ってから鼻水とくしゃみが止まらず、寒いせいなのかと思っていたのですが違いました。原因は食べ過ぎにあったのです。

邪食? 普通の食?

マクロビオティックを実践していると、「邪食」という言葉を聞くことがあると思います。その言葉によって苦しめられている人もいるようですが、そもそも「邪食」なんて呼び方を自分自身が拒否すれば良いだけの話だと思うのです。

健康な人のマクロビオティック

病気治しを原点に持つマクロビオティックですが、現在では健康な人でも実践しています。ですが、健康な人が行うには、マクロビオティックの食制限は辛いものがあるのではないでしょうか。ちょっと心配になっています。

マクロビオティックが治すのではない

マクロビオティックは自学自習が基本です。誰かに頼るものではありません。実際、厳しいものです。だからこそ面白いのです。自分が自分の医者になり、自分の体に責任を持って判断を下していかねばなりません。

マクロビオティックでカレーが体に合わなくなった~だが「食べられなくなった」のではない

マクロビオティックを始めてからカレーが食べられなくなったと思っていましたが、そうではありませんでした。

強くない体に守られている

胃腸が強くないことで太りすぎずにすんでいるんですよね。物事は、マイナスだけではありえず、必ずプラスの面があることを考えさせられます。

ランダム記事

マクロビオティックをやめて、一番感じること

マクロビオティックを手放して、新たな食の道を歩み始め、まず一番初めに感じたのは「食べられるものが増えた」ということだ。

西洋医学とマクロビオティックの両立~親知らず抜歯後、抗生物質の飲み過ぎで弱った腎臓を小豆かぼちゃが治す

親知らず抜歯後、抗生物質と痛み止めの服用で腎臓に負担がかかり、尿が出なくなりました。それを、マクロビオティックの食箋料理である「小豆かぼちゃ」が治してくれました。そのときの体験から、西洋医学とマクロビオティックの両立というものを考えます。

マクロビオティックは超高級~外食では食べられない価格と質

外食をほとんどしなくなった私が、自然派系レストランのサイトで美味しそうなメニュー表記を見つけた。自分の家で食べるメニューもレストラン風にしたらどうなるか考えて、一人満悦。

マクロビオティック的進歩の目安…人の食事が気にならない

人の食べているものを批判しないですむようになると、マクロビオティック的に進歩したといえるのではないでしょうか。

にんじんりんごジュース飲み過ぎて失敗~前編~

にんじんりんごジュースを飲みすぎて胃がおかしくなりました。

マクロビオティックコラムカテゴリー別記事一覧
マクロビオティックを考える
マクロビオティックフリートーク
マクロビオティック失敗談・初めての体験記
マクロビオティック実践記
アトピー性皮膚炎との歩みシリーズ
7号食実践記シリーズ
マクロビオティックからの卒業
マクロビオティック卒業後コラム
心の健康
運営者ブログ新着記事