糖尿病(2型)の食養療法

膵臓 マクロビオティック羅針盤

糖尿病の原因

胃の裏側にある「膵臓(すいぞう)」のランゲルハンス島には、血糖を下げるホルモン「インシュリン」を分泌するベータ細胞があります。

このベータ細胞は島の中で最も陽性なので、血液があまりに陰性になってしまうと膨張してインシュリンを分泌する能力が下がります。

つまり、陰性過多(砂糖、果物、化学物質、乳製品、コーヒーなどの摂りすぎ)が糖尿病の主な原因です。

また、血液を酸性状態にさせる動物性食品の摂取過多によっても引き起こされます。

(食物の陰陽について詳しくはマクロビオティックQ&A理論編『食物の陰陽判断』参照)

糖尿病の食養療法

陰性への偏り過ぎを中庸にととのえるため、陽性寄りの食事内容にしていきます。
甘いもの(糖類、果物)は厳しく制限します。(完全穀物や玉ネギ、かぼちゃなどの甘みは良いです)
汁物(味噌醤油使用)は少し濃いめに味つけて、一日一杯にとどめます。
症状がだいぶ改善されてくれば食事は『マクロビオティック基本食(食養療法時)』の範囲内で自由に摂ってくださってかまいませんが、それまでは以下の事項に留意してください。

主食と副食

主食(全粒穀物)…5割~6割

玄米に、キビ(小粒なのでより陽性)を混ぜて炊いたものを主食とするのが良いです。割合は、「米:キビ」=「5:5」または「8:2」にします。

キビの他、小豆を混ぜて炊くのもおすすめです。(参考:「小豆入り玄米ご飯のレシピ」)

塩味をきかせた栗ご飯も良いです。

副菜…4割~5割

ニンジン、ゴボウ、大根などの根菜類を中心に、他にカボチャや玉ネギ、キャベツなどの球形野菜、大根の葉、小松菜などの葉野菜を摂ります。これらの野菜はごま油で炒めて調理すると良いです。(汁物に仕立てるときも、鍋で一度炒めてから煮ると良いです)

きんぴらを毎日少量ずつ食べるのも効果的。小豆かぼちゃも良いです。

豆は、小豆のような小粒のものが最も良いです。玄米に混ぜて炊いたり、野菜と一緒に煮て食べましょう。

海藻は、昆布、わかめ、ひじきなどを、日々の食事の3%ほど定期的に食べていきます。

禁忌食(食べてはいけないもの)

陽性が強すぎるもの
精製塩 / 卵 / 鳥肉(鶏、鴨、きじなど) / 獣肉(牛、豚など) / チーズ / 魚介
陰性が強すぎるもの
白米など精製した穀物 / 冷凍食品、缶詰 / 熱帯性の野菜、果物全部、ナス科の植物(ナス、トマト、ジャガイモ) / 牛乳、クリーム、ヨーグルト、アイスクリーム / 刺激の強い飲み物(コーヒー、紅茶など)) / 香辛料 / 砂糖など精製した甘味料 / アルコール / 防腐剤、着色料など化学物質を含んでいる食品
糖尿病の場合は未精製の糖類の他、果物も一切口にしないようにしましょう。他、酢の物、パンやクラッカーなどの小麦粉を堅く焼き締めた製品、生の油、氷水も避けます。

その他アドバイス

よく噛んで食べる
一口、100回から200回くらい噛んで、ドロドロにしてから飲み込みます。
水分を摂りすぎない
喉も渇いていないのに水分を摂るのは控えましょう。食べ物をよく噛んでから飲むようにすれば、喉は渇きにくくなります。飲み物としておすすめなのは穀物茶や甘い野菜のスープです。
脂肪を落とす
太りすぎ(脂肪のつきすぎ:陰性過多)も糖尿病の原因になります。上記のような「完全穀物を主食とし、野菜や海藻、豆を副菜とした食事」をよく噛んで摂り、適度な運動も取り入れることで、適正な体重にしてください。
梅醤番茶
梅醤番茶を一日おきに小さめの湯飲み一杯ずつ、三週間飲むと良いです。
何度かに分けて
一度にたくさん食べるのではなく、四食か五食に分けて少しずつ食べた方が良いです。
かかりつけの医者にも相談しながら
インシュリンを処方されている場合、マクロビオティックを始めても最初の二週間は減らさず、その後はかかりつけの医者と相談しながら徐々に調整していってください。