胃炎の食養療法

胃 マクロビオティック羅針盤

胃炎の原因

胃炎は、胃の内壁が炎症を起こすことによって生じ、その原因としては暴飲暴食、酒や煙草の飲み過ぎ、香辛料など刺激物の摂りすぎ、薬品の連用、冷たいものの摂りすぎ、生ものの中毒、不十分な咀嚼などがあります。

精白穀物、小麦粉製品、砂糖、菓子、乳製品、肉、魚介類などの酸性食品摂取過多によっても引き起こされます。

胃炎の食養療法

陰性への偏り過ぎを中庸にととのえるため、陽性寄りの食事内容にしていきます。
最も大切なことはよく噛むことです。一口につき200回噛みましょう。
急性胃炎の場合は2~3日絶食します。
症状がだいぶ改善されてくれば食事は『マクロビオティック基本食(食養療法時)』の範囲内で自由に摂ってくださってかまいませんが、それまでは以下の事項に留意してください。
主食(全粒穀物)…症状があれば8~9割。改善してきたら5割~6割

玄米おにぎりのまわりにごま塩をふって、ごま塩おにぎりにして食べます。一口200回噛み、どろどろにしてから飲み込みましょう。赤飯も良いでしょう。

玄米に、キビアワなどの雑穀を混ぜて炊くと良いです。

症状(胃の痛み、食欲不振)があれば、主食をほとんどにして、おかずはたくあんや鉄火味噌梅干しのみにすると安全です。改善してきたら少しずつ野菜を増やしていきます。

副食…最初は1割~2割。改善するにつれ4割~5割。

きんぴら小松菜と油揚げの煮浸し、小豆と昆布の煮合わせなどが良いです。少し濃いめに味つけましょう。

食欲が戻ってくれば味噌汁もつけます。汁の味はやや濃いめにし、かぼちゃや玉ネギ、わかめ、昆布、ネギ、油揚げなどを具として入れましょう(具はよく煮て柔らかくします)。

禁忌食(食べてはいけないもの)

陽性が強すぎるもの
精製塩 / 卵 / 鳥肉(鶏、鴨、きじなど) / 獣肉(牛、豚など) / チーズ / 魚介
陰性が強すぎるもの
白米など精製した穀物 / 冷凍食品、缶詰 / 熱帯性の野菜、果物全部、ナス科の植物(ナス、トマト、ジャガイモ) / 牛乳、クリーム、ヨーグルト、アイスクリーム / 刺激の強い飲み物(コーヒー、紅茶など)) / 香辛料 / 砂糖など精製した甘味料 / アルコール / 防腐剤、着色料など化学物質を含んでいる食品
特にアルコールは厳禁です。他、酢の物、パンやクラッカーなどの小麦粉を堅く焼き締めた製品、生野菜、豆乳、瓜類、氷水も避けます。

その他アドバイス

よく噛んで食べる
一口、100回から200回くらい噛んで、ドロドロにしてから飲み込みます。
水分を摂りすぎない
特に胃炎の場合、水分の摂りすぎは胃を弱めるので注意します。食べ物をよく噛んでから飲むようにすれば、喉は渇きにくくなります。飲み物としておすすめなのは穀物茶や甘い野菜のスープです。
梅醤番茶
梅醤番茶を小さめの湯飲み一杯ずつ、最長で5日飲むとエネルギーが回復されます。
味噌
味噌は胃癌を予防するという国立がんセンターの研究結果も出ています(*)ので、胃が弱い方は意識的に摂ると良いでしょう。
(参考:*久司道夫著『THEマクロビオティック』p.337)
梅干し
梅干しは胃の酸性状態を中和します。一日に1/2粒~1粒食べると良いです。
何度かに分けて。食べ過ぎ禁物
一度にたくさん食べるのではなく、四食か五食に分けて少しずつ、よく噛んで食べてください。腹八分目ではなく、腹六分目から七分目で終わらせるようにしてください