マクロビオティックコラム

電子レンジ回避で玄米ご飯を腐らせた

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電子レンジ、電磁調理器がダメと言われても』では「電子器具に頼ってでもマクロビオティックを続行することに重きを置く」と気を吐いた私だったが。威勢のいい記事を書いた反動か、なんだかそれまで以上に電子器具を意識するようになってしまった。

電磁調理器はそれほどでもない。これはもう撤去するわけにもいかないし、使っていてもたいしてイヤな感じはしない。

問題は電子レンジ。使った方が断然楽だし玄米生活を続けるには必要不可欠と思っていたが、ご飯を電子レンジにかけているときのウィーンという音とあの光が気になる。

マイクロ波が食物の波動を変えるって……? そんなこと言われても……でも……う~ん、どうしようかな……。電子レンジを回避する良い方法はあるだろうか?

毎日炊くのはさすがに面倒。冷蔵庫で保存してしまうと鍋で温め直さなければいけなくなって大変だから、それも却下。

できるとすれば、常温でご飯を保存して、腐らないうちに食べきってしまうこと。常温であれば温め直さなくても食べられるし、電子レンジを使う必要はない。

私は早速玄米を5合炊いた。いつものように200gごとにラップにくるむ。そして食卓テーブルの上にそのまま放置した。

当日はもちろん問題なく食べられる。翌日も、冷やご飯ではあるが美味しく食べた。

二日目の時点で、200gのご飯だんごは、まだ二つ残っていた。常温で三日もつだろうか? 不安がよぎり、その日の夜は玄関に保存先を移した。11月の北海道だ。冷蔵庫ほどではないけれど、寒さは十分。これでなんとか三日目までもつだろう。この試みがうまくいけば、電子レンジを使わない生活に入れるかもしれない……。

そして三日目。食事の時間になって、玄関からご飯だんごを持ってくる。見た目はまったく変わりない。ああ、常温でも三日保存できるんだ。私はラップをはがし、おにぎり作りに取りかかろうとした。

だが、そのときかすかな異変に気づいた。

なんだか、やけにご飯の表面が糸を引く……。

最初は、単なるご飯の粘り気だと思った。だが、粘り気にしては長く糸を引きすぎる。音で表現すると、「ぬたあ~」という感じだ。

鼻を近づけた。明らかにえた臭いがする!

いかん! 腐らせた! 私は玄米ご飯のぬたぬた加減と臭いを何度も確かめた。

有機栽培のコシヒカリ玄米ご飯なのだ! 大切な大切な主食なのだ! 立派な昆布と小豆も混ぜて炊いてある! しかも200gだんごが二つ! 大量だ! 腐らせるなんてありえない! もったいない!

しかしやはり、怪しげな粘りと臭いは本物。桜沢氏は、食べ物は腐ったくらいがちょうどよいなんてどこかで書いていたが、さすがに食べる勇気が出ない。

もしかしたら、いずれ食べる気になるかもしれないから……と、ラップにくるんだまま冷蔵庫に入れ、その日は主食を玄米餅で間に合わせた。

しかし冷蔵庫に入れた腐れ玄米ご飯は、何日も手をつけられず、そのうち冷蔵庫から姿を消した。知らないうちに母が捨てたのかもしれない。聞いてはいないが、あまり聞きたくもない……。

この出来事で、私は、「玄米ご飯を腐らせるくらいなら、やっぱり電子レンジを使ってでもきちっと食べきった方がマシだ」と思うようになった。

以来、電子レンジの使用に抵抗を感じなくなった。あの糸を引いて食べられなくなってしまった玄米ご飯の姿を思えば、炊きたてのまま凍って、電子レンジでホカホカに解凍された玄米ご飯の方が健康的に思える。

電子レンジを使っていて、それをダメと言われて反発し、反発したことで逆に気になって電子レンジを回避しようとした結果、結局電子レンジ生活に戻った。この経過は、真に「電子レンジ」というものを納得して使うために必要だったと感じる。

今日も私は、電子レンジで解凍した玄米ご飯でおにぎりを作って食べた。美味しかった。もう二度と君を腐らせやしないよ、玄米。


運営者紹介

マクロビオティック羅針盤」運営者の遠藤です。

当サイトでは、マクロビオティックを初歩からQ&A形式で解説しています

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北海道旭川市在住。お茶の水女子大学卒業。

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