マクロビオティックコラム

強くない体に守られている

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私は痩せ型の部類に入る。健康のためあまり太らないよう気をつけているからでもあるが、太るような食生活を送るとすぐ胃腸がおかしくなるというのも痩せの一因であると思う。

つまり胃腸が強くない。

ちょっと脂っこいものを食べ過ぎたり、冷たい飲み物を飲み過ぎたりすると、同じものを食べている妹はピンシャンしているのに私は下痢になったりする。

そんなときは痛む腹をさすりながら布団をかぶって丸まり、これじゃあたまにハメを外そうと思っても限度があるよなあと、なんとなく食に制限がかけられたような窮屈な気分になったりしていた。

太りすぎてしまった人がダイエットするテレビ番組を見たときも、「この人は胃腸が健康なんだな」と、まずそこを羨ましく思った。皿いっぱいのパスタやカツ丼、アイスクリーム。あそこまで食べたら私だったら即、腹痛、下痢だもの。

あれだけの食事を消化する胃、栄養を吸収してしまう腸。あそこまで太れたということは、それだけ内臓が健康だったということなんだよなあ……。

しかし、健康だったがゆえに、病的に太ってしまった。

私はどうだろう? 私は胃腸が強くない。だから度を超して食べることはできないし、畢竟、太りすぎることもない。

そうか。胃腸が強くないことにより、病的な肥満からは守られていたんだ。

私はけっこう食べ始めると止まらないタチだから、もし胃腸が丈夫だったら歯止めがきかずにどこまでも食べて、何かおかしな病気を招いていたかもしれない。

そう考えれば、内臓が頑強ではないこともありがたく思えてくる。

このことは、体だけでなく、人生においても言えるのではないかと私は最近よく考える。

何か、マイナスだと思える状況があったとして、そこからはどう考えても良い面など浮かばないとしても、絶対に、その状況が守っていてくれているものがあるはずなのだ。

物事は、マイナスだけではありえない。必ずプラスの面がある。私はそこを見つけたいのだ。そして感謝したい。

胃腸は、強い方が良い。下痢だってしない方が良い。けれど、胃腸が強くないからこそ、下痢するからこそ、守られる健康もある。

マイナス面からプラスを見つけるのは、天から課せられた難解なクイズを解くようなもので、考えれば考えるほど奥が深く、自分自身が救われる気がする。


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