(にんじんりんごジュース飲み過ぎて失敗~前編~からの続き)
にんじんりんごジュース(レシピはこちら)を、よかれと思って一日に二回も飲んだ私。
二回目のジュースを飲み終えてから異変が生じてきた。なんだかお腹の具合が悪い。乗り物酔いしたときのようだ。
しまった、ジュースを飲み過ぎたか……。気付いたときには時すでに遅し!
敗因を探る
ああ、しまった、しまったぁぁ! 椅子にぐったりともたれ、胃をさすりながら、私は今回の敗因を探った。
野菜と果物の搾り汁だから油断していたが、やはり汁というのは陰性。
しかも果物の中では最も陽性とはいえ、どう転んでもやはり陰性には違いないりんごを一日に1/2個も摂るなんて(その日に限っては二回飲んだから一日一個ということになる!)、正気の沙汰ではなかったか……。
にんじんりんごジュースは、確かに体に良い変化をもたらした。肌の保湿力を高め、すべすべにしてくれた。摂って肌が良くなる食べ物というのに出会ったのが初めてだったから、嬉しくて、興奮してしまっていた。
だがそれだけ即効性がある分、にんじんりんごジュースは危険もはらんでいたのだ。飲み過ぎれば、胃の不調をもたらす……。
適量がわからなかった
わかっていたはずではなかったのか? どんなに身体に良いものでも、量が過ぎれば害となるということを! ああ、だが、私は知らなかったのだ。自分にとってにんじんりんごジュースの適量がどのくらいなのかを。
遅かれ早かれ、今回の失敗はやってきただろう。にんじんりんごジュースを食生活に組み込もうと試行錯誤する中で、自分にとっての適量を探ろうとすれば、一度飲み過ぎて失敗する経験をしなければいけないのだから。
けれどなんだか、心が寂しかった。くすんと泣きたかった。マクロビオティックという母の手を離れ分け入った茂みの中で、蛇に噛まれたような気持ちだった。
お母さ~ん! 私はマクロビオティックの元に駆け戻った。お母さん、めそめそ。こういうときはどうしたらいいの。
そうだな、まず胃の痛みが取れるまで何も食べない。そして明日、少し調子が戻れば梅醤番茶をゆっくり飲んでみようか。食欲が出てきたなら、玄米のお粥をよく噛んで食べよう。もちろんにんじんりんごジュースは無しだよ!
はい、わかりました。私は涙を拭う。そう、どんな失敗をしたって、マクロビオティックは私を寛大に見守っていてくれる。そして知恵を授けてくれる……。
にんじんりんごジュースには良い面があった。だから、まったくやめるということはしない。だが、飲み方には大きく変更を加えることにした。
まず、「毎朝」、義務のように飲んでいたのを「3日に一度以下」くらいに減らす(飲みたいと思うまでは飲まない)。そして、りんごの量を、一回につき1/2個ではなく1/4~1/8、あるいはゼロにまで減らす。
飲むのは一日一回まで。100~150ml程度。
こう決めて、少しほっとした。にんじんりんごジュースは、材料を調達するのが簡単ではなかったのだ。「にんじん、りんご」という重たいものを頻繁に自然食品店まで買いにいかなければいけないし、りんごは値が張るし……。
これが、飲む回数も量も減らすとなれば、労力的にも金銭的にもだいぶ楽になるだろう。
それにしても、今回、にんじんりんごジュースを飲み過ぎるという失敗に至った大きな原因の一つとして、「ジューサーを買ったこと」が挙げられるような気がする。
ジューサーなんて便利なものがあるから、一日に二回も作れてしまったのだ。
おろし金ですりおろしてガーゼで搾っていた頃は、まず体力がもたないから、飲もうにもそう多くは作れなかった。もちろん一日に一回作るのが限度。
ああ、手搾りは大変だったけれど、そのおかげで作りすぎることがなかった。ジューサーは楽だけれど、にんじんでもりんごでも好きなだけジュースにできてしまうから、つい作りすぎて飲みすぎてしまった。
陰あれば陽、陽あれば陰……。手搾りの陰に疲れ、ジューサーという陽を手に入れ、作りすぎ飲みすぎの陰が来て、手搾りの陽に気付く……。
ああ、こんなところにまで無双原理が息づいているのか! と天を仰ぎながら私は胸に誓う。
にんじんりんごジュースは飲み過ぎない!!
思いっきり転んで泥だらけだが、なにくそと立ち上がり、マクロビオティックの励ましを得ながら、これからも我が道を諦めることなく歩んでいこうと思う。
(その後、すぐ回復すると思った体調は悪化に転じました。続きはこちら→『栄養失調~いわゆる夏バテ~前編』)