マクロビオティックコラム

アトピー性皮膚炎との歩み~6.砂糖禁止の衝撃

シェアする

その5からの続き)

大学卒業後に実家に戻った私は、一度作ったレシピを整理して保存しておく場として「マクロビオティック」の名を冠したブログを開設した。

だが「マクロビオティック」と名乗っているわりに、私はマクロビオティックのことを知らなかった

肉・卵・牛乳の除去食であればまあマクロビオティックと言っても間違いではなかろうと、詳細な裏付けもとらずに決めつけていた。

マクロビオティックを知らずにマクロビオティックを名乗る

母には「きちんと調べた方が良いのではないか」と言われたが、真剣には取り合わなかった。自分のやっていることが正しい、わざわざ調べる必要なんてないと思っていた。

そのくらい、マクロビオティックというものを単純に考えていた。

添加物や動物性のものを避けさえすれば立派なマクロビオティックなのだと、なぜか自信を持っていた。

マクロビオティックを初めて調べる

しかしレシピが増えてくるうちに、「マクロビオティック料理」というブログタイトルに重みを感じるようになった。

私はマクロビオティック料理だと思って作っているし、実際にそう遠くはないだろうけれど、もし本当にマクロビオティック料理を知りたいと思っている人が私のサイトを見て「これがマクロビオティック料理なんだ」と納得してしまったら責任が持てるだろうか?

私はおそるおそる、インターネットを使ってマクロビオティックについて調べ始めた。玄米を主食とする。添加物を避ける。肉、卵、牛乳は摂らない。やはり、想定の範囲内だ。そう思ったとき、予想もしなかった言葉を見つけた。

砂糖を摂らない。

私はうろたえた。砂糖がダメだって? それはどういうことだ?

私は粗糖を料理によく使っていた。煮物にも、カレーの隠し味にも使っていて、まったく罪悪感がなかった。

なぜ砂糖がいけない? 砂糖を使った料理は美味しいじゃないか!

砂糖を否定されたショック

意味がわからなかった。それまでの自分を全否定されたようで、悲しくて、料理を作りながら涙が出た。

私がマクロビオティックだと思ってやっていたことは、マクロビオティックではなかった!

別に、マクロビオティックではないからと言って、除去食であることに変わりはない。

だからそう嘆くこともないのだが、私は私の料理方法に自信があった。一番体に良いやり方を知っていると思っていた。だから、いかにも健康的な響きのある「マクロビオティック」と肩を並べるくらいのことをしていると思いこんでいた。

それが、自分のやっていたことは、マクロビオティックでは受け入れられないことだったのか?

マクロビオティックに腹が立つ

恥ずかしかった。悔しかった。同時に、マクロビオティックというものに対して腹が立った。

私は、肉も、卵も、牛乳も摂れない体で生まれてきた。それは、現代の食においては十分すぎるくらいの制限だった。その上、砂糖まで私から奪おうというのか。

なんたる息苦しさ。砂糖のどこがダメなんだ? 何を根拠に、そんな制限を加えるのだ。なぜいけないのか、はっきり説明しろ!

創始者は誰だ? 桜沢如一? よし、桜沢さん。あなたに聞こうじゃないか。なぜ、マクロビオティックでは砂糖を避けるのか。

私は、マクロビオティックの源流である桜沢如一氏の著作を次から次へ読み始めた。マクロビオティックの真実を知るために。


運営者紹介

マクロビオティック羅針盤」運営者の遠藤です。

当サイトでは、マクロビオティックを初歩からQ&A形式で解説しています

マクロビオティック的に最もお勧めしたい献立「おにぎり・ごぼう汁定食」について「栄養学からも検証済み! 失敗しないマクロビオティック献立は?」で解説しています。

他に、メインブログとして「健康探究ブログ」を運営していますのでよろしければ遊びにいらしてください。

北海道旭川市在住。お茶の水女子大学卒業。

サイト説明詳細・運営者プロフィールはこちら

関連記事

アトピー性皮膚炎との歩み~1.除去食人生スタート

生まれつき食物アレルギーのある私。病院で診断を受け、肉、卵、牛乳を除去した食事(除去食)を保育所でスタートさせますが、小児喘息、とびひなど、アレルギー性の疾患に次々とかかります。けれど除去食の効果で小学校入学前にはだいぶ良くなります。

アトピー性皮膚炎との歩み~2.除去食で成長。

肉、卵、牛乳を除去した食事(除去食)を保育所でスタートさせ、小学校入学後は給食からアレルゲンをよけて食べるようになります。牛乳は止めていたので飲み物はなし。アトピーの症状はだいぶおさまり、ステロイド剤でコントロールしながら過ごしていました。

アトピー性皮膚炎との歩み~3.浪人時代の脱ステロイド

離乳食から肉、卵、牛乳を除去した食事(除去食)を続けたおかげで皮膚症状はだいぶ改善されたものの、ステロイド剤を塗る日々が続いていました。せめて顔は脱ステロイドしたいと、自宅浪人を機に一念発起。リバウンドで赤くひび割れた頬を改善させるまで試行錯誤が続きました。

アトピー性皮膚炎との歩み~4.大学時代の油断で湿疹が悪化

肉、卵、牛乳を除去した食事(除去食)で二十歳までにアトピーの症状をだいぶ改善できたのは良かったのですが、その後、大学時代の油断でそれまでになかった皮膚症状があらわれます。

アトピー性皮膚炎との歩み~5.マクロビオティックとの出会い

大学卒業後、実家へ戻った私は、自分のごはんをしぶしぶ自分で作るようになります。そんな中でレシピをまとめる必要性が出てきて、ブログをレシピ集代わりにすることに。そのタイトルに採用したのが「マクロビオティック」だったのです。マクロビオティックのことをほとんど何も知らなかったのに……

アトピー性皮膚炎との歩み~7.マクロビオティックへの信頼

砂糖禁止の理由を、様々な本を読むことで理解した私は、マクロビオティックの哲学としての奥の深さにおもしろみを感じるようになります。単なる除去食より食生活も洗練され、アトピーもかなり良くなりました。

自分をマクロビオティック実践者だなあと感じるとき~白砂糖を避けようとする

普段の生活において、自分をマクロビオティック実践者だとことさらに意識することはない。だが、先日、マクロビオティックが「異物」として、私の中でその存在をあらわにする経験をした。数年ぶりに訪れた、和食レストランのお土産売り場でのことだ。

砂糖がダメ? そんなの知らん~マクロビオティック実践記1

マクロビオティックを学んで一番驚いた「砂糖禁止」。けれど私は「別にいいよね? 美味しいし」と、無邪気に使用を続けていました。

白砂糖が甘い、カレーがくどい~マクロビオティック実践記2

マクロビオティックを始めて五ヶ月目。白砂糖を使った菓子が甘ったるく感じられるようになり、好物のカレーもくどくて胃にもたれるようになりました。

白砂糖菓子の代わりに食べていた干し芋で銀歯が外れる~マクロビオティック実践記6

マクロビオティックを始めて9ヶ月。白砂糖の菓子の代わりに干し芋を食べてしのいでいたのに、その干し芋にくっついて銀歯が取れてしまいました。

ランダム記事

マクロビオティックに飽きるとき

マクロビオティックを実践していると飽きるときが来るかもしれません。そんなときは、マクロビオティックをどんどんはみ出して、「こんなことして大丈夫だろうか?」ということに挑戦してみたら良いのです。

マクロビオティック優秀献立おにぎり・ごぼう汁定食誕生秘話

マクロビオティック的にも素晴らしい上に、栄養所要量をも満たす優秀献立「おにぎり・ごぼう汁定食」誕生の裏話です。おにぎり・ごぼう汁定食は、高校時代、スキー授業の昼食で食べた「熱々の豚汁とおにぎり」の記憶から生まれました。

おにぎり・ごぼう汁定食開発、生理ストップ~マクロビオティック実践記5

マクロビオティックを始めて8ヶ月。体調絶好調メニューおにぎり・ごぼう汁定食が誕生します。

マクロビオティックと「堕落論」(坂口安吾著)に通じるもの

マクロビオティックをはみ出して自分だけの道を究めようとして失敗した私に、坂口安吾「堕落論」がヒントを与えてくれました。『自分自身の武士道(略)をあみだすためには、人は正しく堕ちる道を堕ちきることが必要なのだ。』

砂糖がダメ? そんなの知らん~マクロビオティック実践記1

マクロビオティックを学んで一番驚いた「砂糖禁止」。けれど私は「別にいいよね? 美味しいし」と、無邪気に使用を続けていました。

マクロビオティックコラムカテゴリー別記事一覧
マクロビオティックを考える
マクロビオティックフリートーク
マクロビオティック失敗談・初めての体験記
マクロビオティック実践記
アトピー性皮膚炎との歩みシリーズ
7号食実践記シリーズ
マクロビオティックからの卒業
マクロビオティック卒業後コラム
心の健康
運営者ブログ新着記事