マクロビオティックコラム

マクロビオティックへの批判

マクロビオティックが、あまり良くない目で見られることがあるのは知っている。

マクロビオティックの内容をよく知らず、実践もしていない人から向けられる批判の目は、それはどうしようもない。あなたは好きに生きてくれと願うのみ。

気になるのは、マクロビオティックにある程度触れた人がマクロビオティックに対して怒りや悲しみ、憎しみ、強い懐疑心を抱いている場合だ。

もちろん、最初からマクロビオティックのルールに完全に納得できる人などそういないだろう。少なからず、マクロビオティックは、それまで築き上げてきた自分なりの食生活を否定してくる。そこに怒りを感じるのは当然だ。しかし、それからの態度が問題なのだ。

怒りを感じたとき、怒りをあらわにして立ち向かっていければ、のちに和解が成立する。

だが、怒りを抑えて、納得できないままにルールだけに従ってしまうと、ストレスがじわじわと溜まり、のちに爆発してマクロビオティックとの関係に決定的な亀裂が入る。

たとえば私の場合、砂糖を強烈に否定されたときに、涙が出るほど悔しい思いをした。それまで料理に原糖を使うことが多かったからだ。

食物アレルギーのため、基本的に肉、卵、牛乳の除去食で生きてきたし、添加物や農薬にも気をつけてきた。健康的な食生活を送るための知識を持っていることには自信があった。その自信が、マクロビオティックに打ち砕かれそうになった。

だが私はここで、マクロビオティックに従うこともなく、距離を置いてしまうのでもなく、徹底的に闘いを挑んだ。納得できない。砂糖がダメという根拠を示せ。桜沢如一という人が創始者だと知り、彼の胸ぐらにつかみかかるような勢いで書物をひもといた。

そして、桜沢氏が忌避しているのは「白砂糖」であり、昔ながらの、ミネラルの残った原糖のたぐいであればそう問題視もしていないということがわかった。

逆に、黒砂糖を、薬として食べる場合もあることを知った。インド滞在中、あまりに暑く陽性な土地のせいで白髪が増えてしまった桜沢氏は、陽性過剰になるのを防ぐために黒砂糖を一週間に500gも食べていたのだ。(*1)

砂糖をすべて否定しているわけではないとわかったおかげで気持ちが和らぎ、砂糖が体に与える影響についてもっと注意深く考えてみる気になった。

結果、私は白砂糖から離れた。桜沢氏がそうしろと言ったからではない。そのアドバイスを参考に自分の体で実験して、確かに白砂糖が体調不良をもたらす原因となると結論を出したからだ。

原糖も、使う量を減らした。だが、使った方が明らかに美味しいと思える場合は使っている。

このように、マクロビオティックの指示に簡単に従わず、疑問を持って調べたり、自分の体で実験してその理論の正当性を確認したりすれば、「マクロビオティックの自分ルール」が確立され、実行にストレスがなくなる。

だが、最初の怒りや疑問を「自分が間違っている」と思って封じ込め、マクロビオティックを権威のように扱って服従してしまうと、「押しつけられている、無理矢理やらされている感」が強くなり、マクロビオティックが嫌いになってしまう。

実にもったいないことだと私は思う。

確かに、「マクロビオティックの言うことの方が正しくて、自分が間違ったことをしている」というような変な罪悪感は、マクロビオティックを始めて一年間くらいは私にもあった。ルールに縛られたくないのに、妙に意識してしまって苦しくなることもあった。

しかし、ルールに自分を縛りつけているのは自分。自縄自縛というやつだ。マクロビオティックは決して、何も強制していないし、従えと命令してきてもいない。

選ぶのも、決めるのも、自分なのだ。苦しく思うたびに、私はそう自分に言い聞かせた。

『君はドンナ主張でも「無批判にはOKしない」という独立人の立場を死守するコトの重大さは知っているハズだ。ドンナ方法でも、技術でも、原理とそのメカニズムが分からないカギリはOKしてはならない。』(*2)

私を信じろ、とはユメにもいわない。強制もしない。』(*3)

そう、他ならぬ桜沢如一氏がおっしゃっているのだ。私たちは、大いにマクロビオティックに対し疑問をぶつけ、納得がいくまでとことん実験する態度を大事にするべきだ。『自力独行の研究心』(*4)を持つべきだ。

自分自身で、自分のために、自分の力で』(*5)成し遂げなければいけないのが、マクロビオティックなのだから。


*1 桜沢如一著『千二百年前の一自由人』p.32
*2,*3 桜沢如一著『病気を治す術、病人を治す法』p.102,107
*4 桜沢如一著『新食養療法』p.266
*5 桜沢如一著『ゼン・マクロビオティック』p.9
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