マクロビオティックコラム

初めての「生しぼりにんじんジュース」体験記~後編~

空腹力』で朝食代わりに摂るものとして紹介されていた「ニンジン・リンゴ・ジュース」を、ジューサーを持っていないからと市販のにんじんジュースで代用しようとしてうまくいかなかった。

「酸化していない、新鮮なジュースを飲まなければいけないんだ!」と悟り、にんじんをすりおろしてジュースを作ってみることに決めた。

台所の野菜置き場をまさぐって、有機栽培のにんじんを一本拾い上げる。皮ごとすりおろすのだから、よく泥を落とさなければ! と、流水の下、たわしでガシガシ洗った。

そこからは根性一筋。おろし金で、力一杯すりおろしていく。たちまち二の腕に疲労物質が溜まって痛くなってくるが、短い休みを入れながらおろし続ける。

息を切らしながら、ようやく一本をおろし終えた。ジュースが搾れるようなフレッシュさは感じず、パサパサな見た目だが、本当に大丈夫だろうか……。

にんじんジュース

貴重なおろしにんじんを、こぼさないようにそっとガーゼに移す。

にんじんジュース

そしてコップに搾る!(写真ではゴム手袋着用)

にんじんジュース

搾れば意外と出てくるものである。牛の乳搾りでもしているような気分だ。一滴も残さないよう、人力の限界まで搾り尽くす。

にんじんジュース

搾り終えた後のカスは、色も抜けてぺしゃんこ。

ジュースだけ飲むなんて、食物繊維も摂れないし、一物全体と言えなさそうで大丈夫かな……と思っていたが、『乳がんと牛乳──がん細胞はなぜ消えたのか』に『重要な成分は、この固形物を除いたジュースにも十分含まれている。』(p.184)とあり、その一文で納得した。

確かに、カスを見れば、重要な成分は抜けているんだろうなと思える。ご苦労さんと言いたくなる。

さて、こうして搾り上げた渾身のにんじんエキスをいよいよ飲む段に至った!

にんじんジュース

中くらいのにんじん一本で、摂れたジュースは50mlほど。いかにも貴重品である。

しかし、なんとなく飲むのに抵抗がある。大根おろしの汁は飲んだことがあるけれど、にんじんおろしの汁は飲んだことがない。

「これ、本当に飲めるのかな……いや、にんじんって生で食べられるんだから、汁だって飲んでいいはずだよ」

コップを鼻に近づけ、匂いを確認する。うん、にんじんの匂いだなあ……。どんな味なんだろう。あまり美味しくなさそう……。ほとんど味がなくて、青臭いんじゃないかな……。

私は意を決してそのにんじんジュースを口に含んだ。

「ん??」

なんだこれは! 甘い! 甘ぁ~い!

なんだこの甘さは。かなり直接的に、砂糖が入っているかのように甘い。にんじんスティックをかじったってこんなに甘くないぞ。どうして汁にすると甘いの? 汁を飲むのが、にんじんに入っているショ糖をダイレクトに味わう一番の方法なのだろうか。

口の中いっぱいに、複雑な味が広がる。コクがあって、まさに野菜のミルクといった感じだ。

鼻腔に抜ける香りもふくよかで、想像していたようないやな感じはしない。

これは……うん、なかなかいけるぞ。

甘く豊かな味わいを満喫して、私はすべて飲み終えた。50mlという少量だったせいもあるだろうが、胃に水っぽいガボガボ感はない。ちゃんと食事を取ったときのように、しっかりと満たされた感じがある。

そうか。これであれば、朝食として飲むのにふさわしいと言えるだろう。胃も落ち着くし、甘いから脳へのエネルギー補給にもなる。

それに、なんといっても新鮮である! 酸化もしていないし、にんじんの持つエネルギーを丸ごと取り込めるのは気分が良い!

なんだか体全体が生き生きと、フレッシュになった気がする。

搾りたてにんじんジュース、これは良いものを知った! 今後の生活にぜひ取り入れていきたい。

(追記:ジューサーを買おうと思って色々調べたが、どうもジューサーというものは本当に良いものを買おうとすると恐ろしく値が張るものらしい! とても手が出ない。

というわけで「おろしやすい」と評判の良かった京セラ製のセラミックおろしを注文した。人力でなんとか頑張ってみるつもりである!)


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