マクロビオティックコラム

電子レンジ、電磁調理器がダメと言われても

久司道夫氏は、自然な燃料推進派だ。『電気やマイクロ波(電子レンジなど)は決して使ってはならない。』(*1)とまでおっしゃる。

確かにそうだ。薪やガスの方が良いに決まっている。自然な炎はふんわりと温かく、料理に素晴らしいエネルギーと波動が伝わるだろう。それが理想だし、そうした方が良いのもわかる。

だが、我が家の熱源はIH(電磁調理器)。カセットコンロはあるけれど、そんなものをわざわざ引っぱり出して料理するなんて現実的ではない。工事をしてガス式に設備を変えるなんて大がかりなことをする気もいまいちしない。だからいつも調理は電気じかけ。それが良くないの?

電子レンジも使っている。使わざるをえない。玄米ご飯を、時間のあるときに圧力鍋で一度に5合炊いて、食べきれなかった分を小分けにラップでくるんで冷凍保存し、食べるときにレンジで解凍している。

不精せず、その都度炊くのが一番良いということになるのだろう。確かに冷凍ご飯をレンジにかけるともちもち感が減ずるから、日々炊ければ一番良い。だが、そうなると少ない量を頻繁に炊くことになる。圧力鍋にはタイマーがないから、炊いている間はつきっきり。炊けたらすぐに鍋を空けて洗い、次の玄米を水に浸けて……。考えるだけでせわしない。

それでも、相当の無理をすれば、毎日炊くのは可能だろう。しかしそうなると、玄米食を続けるのが困難になる。最初は気力で持ちこたえるだろうが、おそらく長くは続けられない。

電子レンジを使って玄米ご飯を食べるのと、電子レンジを使わない代わりに玄米が食べられなくなるのと、どちらが良いの? ということになる。

電磁調理器を使ってマクロビオティックを実行するのと、電磁調理器を使わないで料理ができなくなるのと、どちらが良いの?

極端だが、私にとってはそういう世界だ。

マクロビオティックは、続けることに意味がある。その人にとって「中庸」のやり方でなければ、続けられなくなる。電子レンジも、電磁調理器も、使わないでなんとかならないかと考え込んだこともあったが、私にとって、その方法は「中庸」ではない。

病人が、病気を治すために本気で取り組むマクロビオティックならば、電子レンジも電磁調理器も封印しなければならないかもしれない。だが、健康な人がマクロビオティックを日常生活の中で続けようとするとき、料理に時間をかけていられないことだってある。

何が一番大事なのか? 私は、たとえ電気やマイクロ波を浴びていても、玄米や野菜を自分で調理して食べていくことだと思う。

次善の策ではあるが、動物性食品や砂糖を摂る生活よりはずっと良いではないか。

電子レンジも、電磁調理器もダメと言われたとき、それらを使わないでもマクロビオティックを続けられるか? そう自分に問うて、「続けられない」と思ったら、電子器具に頼ってでもマクロビオティックを続行することに重きを置く。これが、私の出した結論だ。

(追記:後日譚があります。「電子レンジ回避で玄米腐らせた」参照)


*1久司道夫、久司・アヴェリン・偕代共著『マクロビオティック食事法(下)』p.58
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