マクロビオティックコラム

マクロビオティックをオープンにしたい

マクロビオティックというのはその詳細があまりオープンにされていない。

「マドンナもやってる」なんて装飾文句とともに週刊文春に載るくらいだから、名前は広がってきているかもしれない。

だがその週刊文春でマクロビオティックに対して書かれた説明文は、世の「マクロビオティック」というものに対する認識の程度をあらわにしている。

『マクロビオティック(以下マクロビ)をご存知か? 思想家の桜沢如一氏が提唱した玄米菜食などを中心とする日本発の健康食法のことだ。独自の陰陽論をもとに食のバランスを考えていく』(*1)。

いや、まさにその通り。内容に何の間違いもない。マクロビオティックとは何かを、短い中によくまとめ上げている。

けれど、肝心の「陰陽論」についての記述がない。簡単に説明できるようなものでもないから、書きようもないだろう。

マクロビオティックを学んでいる読者はまだ良い。しかし、他の、大多数であろうマクロビオティックを知らない読者はどこか煙に巻かれたような気持ちになり、陰陽論とは何か疑問に思いながらも、わかりやすい「玄米菜食」という言葉にマクロビオティックの姿を見出すだろう。

「玄米菜食」。これが、多くの人が抱くマクロビオティックのイメージではないか?

マクロビオティックの食事法を一言で説明しようとしたとき、確かに「玄米菜食」という言葉に行き着く。私も、マクロビオティックをまったく知らない美容師にマクロビオティックとは何か聞かれ、答えに窮した末に「玄米菜食です」と答えたことがある。マクロビオティック実践者の食卓を見れば、いわゆる「玄米菜食」であることが多いから、その答えは間違いではない。

しかし、マクロビオティックの本当の姿というのは、「玄米菜食」という言葉ではなく「陰陽論」の方に隠れている。陰陽論を食物に当てはめてたどり着いた、結果としての中庸の食事が「玄米菜食」なのだ。

陰陽論を理解できなければ、マクロビオティックとは何かということが本当にはわからない。けれど陰陽論=無双原理を短い語句の中で説明するのは不可能で、つい説明に「玄米菜食」という簡単な言葉を使ってしまうために、マクロビオティックは真に理解されることなく「ベジタリアンとどう違うの?」なんて思われながら、人の頭を通過していく。

マクロビオティックの本当の面白さを知りうるのは、講習に通ったり本を取り寄せて読むような、強烈に興味を持った人のみ。その他の、「少しマクロビオティックが気になる」程度の人に対しては、開示されている情報があまりに少ない。

それでもいいのかもしれない。創始者の桜沢氏も、晩年には『私は実用弁証法(筆者註:無双原理)を広く説く必要を認めない。むしろ反対に深山幽谷か、困難と危険のヒマラヤ、修道院のようなトコロでのみ説くべきである。』(*2)とおっしゃっている。

だが私は、もっとマクロビオティックは大衆に対してオープンであった方が良いと思っている。マクロビオティックとは何なのか、無双原理とは何なのか、簡単に情報を入手できる場所が必要だと思っている。

マクロビオティックは、一部の人間だけのものにしておくにはもったいない、力強い真理だから。

問われもしないのに語る必要はない。けれど、興味を持ってくれた誰かの情熱は、逃さずすくい上げたい。そのために私はこのサイトを作った。

教室に通ったり、本を買って勉強せねばならないとなるとおおごとだが、インターネットで気軽に学べるとなればマクロビオティックへのハードルはだいぶ低くなる。

私は幸いにも、マクロビオティックを特別に勉強する時間的余裕と気力に恵まれていた。

玄米菜食などという言葉では言い尽くせないマクロビオティックの詳細をもっとオープンにしたい。そのために私の力が、このサイトが、わずかでも役立てられたらと思うのだ。


*1週刊文春2008年12月18日号 p.55
*2 桜沢如一著「健康の7大条件」p.122
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