マクロビオティックコラム

ソバカキって何? 深大寺で初めてそばがきを食す!~後編~

前編はこちら)

桜沢如一著『新食養療法』の中で紹介されていた謎の食品「ソバカキ」を、深大寺参りのついでに食べてくることに決め、私は意気揚々とバスに乗った。

30分ほどで深大寺前のバス停に到着し、私は出発前に用意しておいた地図を広げた。深大寺周辺には20あまりのそば屋が軒を連ねているわけだが、その中でも私が狙いをつけたのが一休庵

国産のそば粉を使っているというのが最大のポイントだった。加えて全席禁煙となるとこの店しかなかった。

地図を頼りに歩いていくと、目印の水車をすぐに発見した。あった! ここだ。

深大寺 一休庵そばがき

まだ客の少ない店内に入り、席に着く。頼むものはすでに決まっているのだが、一応お品書きを開いて確認する。

深大寺 一休庵そばがき

あったあった、「粗挽きそばがき」。ふふふ。注文を取りにやってきた店員さんに「そばがきを一つください」と言うと、「……そばがき!?」と驚いたように言われた。

「は……はい!」「ちょっとお時間かかりますけどいいですか?」「ああ、はい、大丈夫です」

店員さんを見送って、私は腕時計を確認した。時間がかかるって、そばがきは作るのがそんなに大変なのかな。それにあの意表を突かれたような反応。そばがきって頼む人が少ないんだろうか。いや、お品書きにも載ってるんだし、そんなこともないだろうけど……。

一体どんなものが運ばれてくるのか、そわそわしながら待っていると、10分ほどで「お待たせしました」と声がかかった。案外早いな……と思う間もなく、目の前にそばがきが置かれる。

深大寺 一休庵そばがき

わあ、これがそばがきというのか! 大きなだんごが、濁った湯の中に沈んでいる。しかしこれはどこからどう手をつけていいものやら……。盆の上を見つめて硬直していると、私の心情を察したのか、店員さんが食べ方を教えてくれた。

「このつゆに薬味を入れて、そばがきをつけて食べるんですよ」「ああ、そうなんですか。わかりました。ありがとうございます。私、そばがきって食べるのが初めてで」そう言うと、店員さんは笑った。

「私も、お客さんには出すけれど、自分では食べたことがないんですよ」……これには私も苦笑せざるをえなかった。

気を取り直し、早速そばがきに箸を入れる。ふわっ、ふるっとしていて、何の抵抗もなく切り分けることができた。

深大寺 一休庵そばがき

つゆに薬味を入れて混ぜ、そばがきをひたして口に運ぶ。

深大寺 一休庵そばがき

そば粉と水だけで作られているとは思えない、なめらかでぬめりのあるムースのような食感である。

濃いめのつゆがよく合う。そばの香りを楽しみながら、そのとらえどころのない味と食感を追究しようと、私は次々と箸を進めた。

そばと言えば麺と思っていたけれど、こんな食べ方もあったのだ。これが、桜沢氏が食養の第一期食として献立例に加えていた堂々たる完全食「ソバカキ」なのか。

私の脳内データに「そばがき」が加わった! 新たな食の平野が開かれた気分だった。

ふわふわしていて食べやすいため、大事に食べていたのに10分ほどでたいらげてしまい、私は出されたほうじ茶をすすって席を立った。

会計時、思い切って聞いてみた。「そばがきは、そば粉だけで作られているんですよね?」

店員さんは、瞳の奥に誇りをにじませながらうなずいた。「はい、そうですよ。よく、長芋や里芋が入っているのかと聞かれるのですが、そば粉と水だけでできているんです」

「そばには、そば粉の割合によって二八そばや九割そばがありますが、十割そばが一番香りも良くておすすめです。そばがきも十割ですからそば粉の風味が生きています」

なるほど、そばがきはつなぎなしの十割そばのようなものなのか。しかし、小麦粉であればただ水と練り合わせただけでここまでふわふわになどなり得ないのに、そば粉の潜在力はすごいものである。

一休庵のそばがきをお手本に、帰ったら自分でも作ってみようと思い、店先でそば粉を買った。妹へのおみやげにそば饅頭も買った。

深大寺 一休庵そばがき

ちなみに……。自然食品の店で売っていなかったら困るからと思ってそば粉を一休庵で買ったのだが、帰りに念のため自然食品の店に寄ったら、国産の、しかも有機栽培のそば粉が売っていて脱力した。

桜井食品 有機そば粉

桜井食品 国産石臼挽き有機そば粉

せっかくなのでこの有機のそば粉も買って帰宅した。

自然食品の店で売ってるって知ってたら最初から自然食品の店で買ったのになあ~と思いながらも、いいや、一休庵で買った意味もあったと気を持ち直す。一休庵のそば粉の後ろには、そばがきの粉と水の割合が載っていたのだ。

一休庵のそばがきの配合を知れたのは良かった! それを元に作ってみるぞ~!

というわけで、一休庵の配合で作ったそばがきのレシピを近日中に掲載する予定なので、楽しみにしていていただきたい。

(6月5日追記:そばがきのレシピ掲載しました。)


マクロビオティックコラムカテゴリー別記事一覧
マクロビオティックを考える
マクロビオティックフリートーク
マクロビオティック失敗談・初めての体験記
マクロビオティック実践記
アトピー性皮膚炎との歩みシリーズ
7号食実践記シリーズ
マクロビオティックからの卒業