マクロビオティックQ&A理論編

無双原理で楽しく生きる? その1-陰あれば陽、苦あれば楽

すべてのものに陰と陽がある。陰あればこそ陽があると知るならば、苦しみも乗り越えられる。

万物…食べ物以外も陰陽から成る

すべてのものは陰と陽からなるということ、陰陽それぞれの性質を、「陰陽の考え方-無双原理・陰陽の特徴」で解説しました。

マクロビオティックではこの万物無双原理を主に食べ物に当てはめて応用し、正しい食のあり方を導き出していくわけですが、無双原理は人生の苦難を乗り越える哲学としても用いることができます。

万物……つまり生きていく中で起こるすべての出来事にも陰と陽があるからです。

私がマクロビオティックに惹かれたのは、この「無双原理」がある故です。マクロビオティックが「何をどう食べるか」だけを問題としていたなら、さほど興味は持たなかったでしょう。

私は、哲学としての無双原理の面白さに惚れました。

食べ物だけで終わらせるにはあまりにももったいないその哲学を、これから詳しくひもといてみたいと思います。

マクロビオティックの本質としての「無双原理」を知ることで、より応用のきいた、各人に合ったマクロビオティック実践ができるようになると思います。

陽があれば陰がある。オモテあればウラあり。

「陽だけでできているもの」や「陰だけでできているもの」は、この世には存在しません。万物は必ず、陰と陽の集合体なのです。

ドアにもオモテがあり、ウラがあります。

一本の大根も、上が陰性で下が陽性です。

戦争のウラに、平和が息を潜めています。

人生における「陰」は、避けたいものです。苦しみ、悲しみ、絶望、病気……。しかし、陰がなければ陽は存在できません。

陰で辛いときは、そのウラにある陽の存在を感じましょう。

苦しみがあるから、喜びがあります。

悲しみがあるから、嬉しさを感じるときが来ます。

絶望するから、希望を見出します。

病気になるから、健康の道を歩み始められます。

「万物は陰陽から成る」のです。陰だけで終わることなどあり得ません。

これを「ウラ、オモテの原則」(*1)と言いますが、桜沢如一氏はこの原則から「君の反対者は最大の味方」(*2)と結論づけています。

『君を苦しめる敵がいなかったら、君は強くなれるハズがないでしょう。』(*3)

私は最初にこの言葉を読んだとき、賛同する気にはまったくなれませんでした。私の周囲にも実際、私の目標に反対する人がいて、その人には随分傷つけられたのです。

反対者などいない方が良いに決まっている。 皆に応援された方が力がわく。そう思っていました。

けれどしばらくして気づいたのです。私は、その敵対者との関係を早く終わらせたくて、必死に目標達成に向けて行動を起こしていました。これがもし支援者ばかりに囲まれていたら、ここまで頑張れただろうか? ぬるま湯につかったように心地よく、動きが鈍くなるのでは?

敵対者がいるから、こんなに焦って、尻に火がついたように行動できているのだ。そう思ったときに、「君の反対者は最大の味方」という言葉を理解しました。

敵対者という陰があるから、行動という陽が生まれていたのです。

陰は必ず陽をつれてきます。陰、恐るるに足らず。むしろ、陰よ来たれ、なのです。

次項:ツリ合いの原則

以上、ものごとには必ず陰と陽の二面が同時に存在することを説明しました。次、「無双原理で楽しく生きる? その2-陰大きければ陽も大きい」で「ツリ合いの原則」を見ていきます。

(出典: *1,*2,*3桜沢如一著 『東洋医学の哲学』p.203,204)