書籍を探しても理論の根拠が見つけられなかったら?
自分なりに理屈をつける
マクロビオティックの決まり事において疑問が見つかり、書籍を探したのに根拠がいまいちわからなかったという場合があるかもしれません。
そういうときは、自分の持ちうる限りの知識を使い、「こういうことだろう」と理屈をつけておきましょう。
そして、まだ自分の中では未解決であるということを心の片隅で覚えておきましょう。
そうすると、実践を積んでいく中で、「ああ、答えはこれか!」とひらめくときが来ます。
実践を通して得られたひらめきは、概して正しいものだと思って良いと思います。少なくとも、自分にとっては真実と言えるのです。
実例:「3号食以下は危険」の謎を解く
たとえば私は桜沢如一氏が「-3号食から7号食」の説明において『危険のない3号食以上』(*1)と発言なさっているのを聞き、「では3号食以下は危険ということか? 危険とはどういうことだろう?」と疑問を持ちました。
その根拠についてはどこを探しても見つからなかったため、「3号食以下、つまり肉や魚、デザートなどのある食事だと病気になりやすいから危険と言っているのだろう」ととりあえずの結論を出しておきました。
その件についてはそれでとりあえず保留にし、実践を続けて魅惑的な食品への執着が落ちた頃。私は保留にしてあった疑問の答えをやっと見つけたのです。
それは、肉や砂糖などが欲望には最強のエサであり、下手に食べると制御がきかなくなってしまうということでした。(詳しくはコラム『豊かな食事の「危険」とは何か』参照)
制御がきかなくなれば、食べ方は無秩序になり、マクロビオティックでととのいかけていた精神も崩れて健康も害してしまいます。
だから、「3号食以下は危険だ」と桜沢氏はおっしゃっていたのだ。そうわかりました。
自分で見つけた答えは強い
このような、どうしてもわからないときは仮説を打ち立てておいて実践の中で答えを探すという方法は、一見時間がかかってまどろっこしく思えるかもしれません。
すぐに答えが欲しい、知っている人がいるならば聞きたいと思うかもしれません。
誰かに聞いてすぐ解決するのは、それはそれで良いとは思います。けれど、謎を自分の中に掲げ、実践を通して自らの手で掘り出した答えというものはとても強いのです。
どんな書物をひもとく必要もありません。出典は自分です。
簡単に答えが見つけられないときこそ、マクロビオティックを自分のものにするチャンスです。自分だけの答えを打ち立ててしまいましょう。
次項:どんな本を読めば?
次の項(『何冊の、どんな本を読めば勉強が足りるのか?』)では、マクロビオティック独学のために読んだ方が良い書物を紹介します。
*1桜沢如一著『ゼン・マクロビオティック』p.68