食医石塚左玄の食べもの健康法
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「食医石塚左玄の食べもの健康法」を読んだ感想
明治時代の医者で、「食養」「穀物菜食」の元祖・石塚左玄の「食物養生法」を、現代語訳した本です。
石塚左玄と言えば、マクロビオティック創始者の桜沢如一氏の命を救ったことで有名。桜沢氏は、西洋的な食事によってさまざまな病気にかかって死にそうになっていたとき、石塚左玄の理論を知って健康を回復させたのです。
感謝にあふれ、自分の一生を石塚左玄の食事法の研究に捧げると決めた桜沢氏。桜沢氏にそこまで思わせた石塚左玄の理論は一体どのようなものなのか、以前から興味がありました。
マクロビオティックの基礎となっているだけあって、基本的な考え方は似ています。桜沢氏の提唱するマクロビオティック食事法の核となる、(玄米を主食として)「塩気の強い、油気のある菜類を副食として少なく摂」る(p.135)という食べ方が本書で推奨されています。
やはりマクロビオティックは間違いなく石塚左玄の流れをくんでいるのだなと思わされます。
しかし、大きな違いもあります。マクロビオティックでは万物を「陰と陽」で考えますが、石塚左玄は「カリ塩とナトロン塩」の多寡で分けるのです。
カリ塩とはカリウム、ナトロン塩とはナトリウムのこと。マクロビオティックでいわゆる「陰性」の部類に入るもの(野菜、果物など)が「カリ塩が多い」とされ、「陽性」の部類に入るもの(肉、魚など)が「ナトロン塩が多い」とされます。
人間は、デンプン(米)を一番多く、その補佐としてたんぱく質と脂肪をデンプンに次いで多く、そしてカリ塩(野菜)は少なく、ナトロン塩(肉、魚)はもっと少なく、というのが石塚左玄の主張です。
特に日本は海国で風土に塩気(ナトロン塩)が多いので、日本人は肉を一切食べる必要がないと言っています。
マクロビオティックでは、肉は人間と同じ陽性で性質が近すぎるために、食べるとバランスが保てないという理由で「なるべく食べない」という教えになっているので、石塚左玄の理論とはかなり違った印象を受けます。
石塚左玄の論を、より普遍的な形に洗練させて、誰にもわかりやすいものに組み立て直したのが桜沢氏なのだなと思います。
似ているけれど違うのが、石塚左玄とマクロビオティック。
石塚左玄が唱えた論をなぞるだけではなく、自分なりにさらに研究してオリジナリティーを加え発展させた桜沢氏というのは本当に創意工夫と向上の熱意があった人なのだなと思わされました。
ところで、本書で個人的に一番興味深かったのが「科学的食養による仙俗智才人種表」(p.204)です。「俗人」から「仙人」まで九段階に分かれているのですが、俗人は「ナトロン塩9:カリ塩1」、仙人は「ナトロン塩1:カリ塩9」の食事を摂った人とされています。
ここでのカリ塩は「植物性食品」、ナトロン塩は「動物性食品」のことを指します。つまり、植物性食品で体を養えば養うほど仙人になれるということです。
ちなみに「ナトロン塩5:カリ塩5」は「賢人」だそうです。「4:6」で君子、「3:7」で聖人、「2:8」で仏人です(そして1:9で仙人)。マクロビオティックは極めると仙人食だと思っていましたが、やはり仙人なのですね(笑)。「動物性0:植物性10」とは言わないところが石塚左玄の寛容なところですね。
「1:9」で仙人になれるのなら、マクロビオティック実践者は簡単に仙人になれちゃいそうですね。
石塚左玄と言えば、マクロビオティック創始者の桜沢如一氏の命を救ったことで有名。桜沢氏は、西洋的な食事によってさまざまな病気にかかって死にそうになっていたとき、石塚左玄の理論を知って健康を回復させたのです。
感謝にあふれ、自分の一生を石塚左玄の食事法の研究に捧げると決めた桜沢氏。桜沢氏にそこまで思わせた石塚左玄の理論は一体どのようなものなのか、以前から興味がありました。
マクロビオティックの基礎となっているだけあって、基本的な考え方は似ています。桜沢氏の提唱するマクロビオティック食事法の核となる、(玄米を主食として)「塩気の強い、油気のある菜類を副食として少なく摂」る(p.135)という食べ方が本書で推奨されています。
やはりマクロビオティックは間違いなく石塚左玄の流れをくんでいるのだなと思わされます。
しかし、大きな違いもあります。マクロビオティックでは万物を「陰と陽」で考えますが、石塚左玄は「カリ塩とナトロン塩」の多寡で分けるのです。
カリ塩とはカリウム、ナトロン塩とはナトリウムのこと。マクロビオティックでいわゆる「陰性」の部類に入るもの(野菜、果物など)が「カリ塩が多い」とされ、「陽性」の部類に入るもの(肉、魚など)が「ナトロン塩が多い」とされます。
人間は、デンプン(米)を一番多く、その補佐としてたんぱく質と脂肪をデンプンに次いで多く、そしてカリ塩(野菜)は少なく、ナトロン塩(肉、魚)はもっと少なく、というのが石塚左玄の主張です。
特に日本は海国で風土に塩気(ナトロン塩)が多いので、日本人は肉を一切食べる必要がないと言っています。
マクロビオティックでは、肉は人間と同じ陽性で性質が近すぎるために、食べるとバランスが保てないという理由で「なるべく食べない」という教えになっているので、石塚左玄の理論とはかなり違った印象を受けます。
石塚左玄の論を、より普遍的な形に洗練させて、誰にもわかりやすいものに組み立て直したのが桜沢氏なのだなと思います。
似ているけれど違うのが、石塚左玄とマクロビオティック。
石塚左玄が唱えた論をなぞるだけではなく、自分なりにさらに研究してオリジナリティーを加え発展させた桜沢氏というのは本当に創意工夫と向上の熱意があった人なのだなと思わされました。
ところで、本書で個人的に一番興味深かったのが「科学的食養による仙俗智才人種表」(p.204)です。「俗人」から「仙人」まで九段階に分かれているのですが、俗人は「ナトロン塩9:カリ塩1」、仙人は「ナトロン塩1:カリ塩9」の食事を摂った人とされています。
ここでのカリ塩は「植物性食品」、ナトロン塩は「動物性食品」のことを指します。つまり、植物性食品で体を養えば養うほど仙人になれるということです。
ちなみに「ナトロン塩5:カリ塩5」は「賢人」だそうです。「4:6」で君子、「3:7」で聖人、「2:8」で仏人です(そして1:9で仙人)。マクロビオティックは極めると仙人食だと思っていましたが、やはり仙人なのですね(笑)。「動物性0:植物性10」とは言わないところが石塚左玄の寛容なところですね。
「1:9」で仙人になれるのなら、マクロビオティック実践者は簡単に仙人になれちゃいそうですね。