生命現象と環境
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「生命現象と環境」を読んだ感想
マクロビオティックを学び、正しく食物をとることが心身に良いのだとよく理解し、実行しつつある中でも、つい失敗してしまうことがあります。
ちょっとくらい平気だと砂糖入りの菓子を食べて鼻がぐずぐずになったり、夜遅いのに食べ過ぎて内臓が痛くなったり。そのたびに「しまった……今度こそ改めよう」と思うのですが、なかなか厳格になりきれない自分にがっかりしてしまったり。
本書は、そんな「むさぼり」(欲)と葛藤し、戦いながらマクロビオティックをすすめていくことを肯定してくれます。桜沢氏は自己を反省しておっしゃいます。
『私は恥ずかしい。私は腹が一杯のときでも、好きな物があれば、また食べます。「あ、それはまた入るところがちがいます!」「いや、捨てるのももったいないから、いただきます」(略)それは要するに「いやしい」ということにすぎないのに……。』(p.88,89)
なんとあのマクロビオティック創始者桜沢如一氏でさえ、完全に食欲をコントロールできていたわけではなかったのだ! この事実に勇気づけられるとともに、そんなことを隠さず告白してくださった桜沢氏に親しみを覚えました。
『この陽性の肉体の陽性の要求、欲望(略)は、それはそれでいいのです。われわれは、だから精神という陰性をもっている。その陰性がおいおい大きく強くなり、やがてついに陽性をおさえ、支配するようになるのですから。(略)どうせ人間は陰陽天地の産物なのですから、その陰陽の相立、対立、闘争のジレンマで苦しむのが当然なのです。』(p.93)
こんな風に、マクロビオティック実践における欲望との戦いについて踏み込んで書かれた本は他にないのではないでしょうか? 隠れた名著という気がします。とても共感できます。
『(略)間違いを繰り返します。そしてまた後悔したり、決心を新しくしたりします。そんなことを、三度や五度でなく、千度も万度も何年も何十年もくり返すのです。そのうち、普通の人なれば五十ともなれば(略)宇宙の秩序にしたがうようになります。』
食の誘惑が多い現代において、マクロビオティックを完璧にこなすことはときに困難がともなうと思います。間違うこともあります。けれどそんなとき、「一万回、何十年と、後悔、決心をくり返して上達していくものなんだ」とわかっていれば、思い詰めずにマクロビオティックを続けることができます。
桜沢氏の人間味がいっぱいにあふれている本です。理論を詰めていくことも大事だけれど、こういう精神面をケアしてくれる本の存在もありがたいものです。
話がそれますが、いやしさを持たない存在として子犬が出てきます。その描写がなんともいえずユーモラスで可愛い。『それでも犬は尾をふるのです。胴体をグニャグニャになるほど、体がまるで踊るダンゴのように見えるほど振ります。』(p.89)……愛すべき桜沢氏です。
ちょっとくらい平気だと砂糖入りの菓子を食べて鼻がぐずぐずになったり、夜遅いのに食べ過ぎて内臓が痛くなったり。そのたびに「しまった……今度こそ改めよう」と思うのですが、なかなか厳格になりきれない自分にがっかりしてしまったり。
本書は、そんな「むさぼり」(欲)と葛藤し、戦いながらマクロビオティックをすすめていくことを肯定してくれます。桜沢氏は自己を反省しておっしゃいます。
『私は恥ずかしい。私は腹が一杯のときでも、好きな物があれば、また食べます。「あ、それはまた入るところがちがいます!」「いや、捨てるのももったいないから、いただきます」(略)それは要するに「いやしい」ということにすぎないのに……。』(p.88,89)
なんとあのマクロビオティック創始者桜沢如一氏でさえ、完全に食欲をコントロールできていたわけではなかったのだ! この事実に勇気づけられるとともに、そんなことを隠さず告白してくださった桜沢氏に親しみを覚えました。
『この陽性の肉体の陽性の要求、欲望(略)は、それはそれでいいのです。われわれは、だから精神という陰性をもっている。その陰性がおいおい大きく強くなり、やがてついに陽性をおさえ、支配するようになるのですから。(略)どうせ人間は陰陽天地の産物なのですから、その陰陽の相立、対立、闘争のジレンマで苦しむのが当然なのです。』(p.93)
こんな風に、マクロビオティック実践における欲望との戦いについて踏み込んで書かれた本は他にないのではないでしょうか? 隠れた名著という気がします。とても共感できます。
『(略)間違いを繰り返します。そしてまた後悔したり、決心を新しくしたりします。そんなことを、三度や五度でなく、千度も万度も何年も何十年もくり返すのです。そのうち、普通の人なれば五十ともなれば(略)宇宙の秩序にしたがうようになります。』
食の誘惑が多い現代において、マクロビオティックを完璧にこなすことはときに困難がともなうと思います。間違うこともあります。けれどそんなとき、「一万回、何十年と、後悔、決心をくり返して上達していくものなんだ」とわかっていれば、思い詰めずにマクロビオティックを続けることができます。
桜沢氏の人間味がいっぱいにあふれている本です。理論を詰めていくことも大事だけれど、こういう精神面をケアしてくれる本の存在もありがたいものです。
話がそれますが、いやしさを持たない存在として子犬が出てきます。その描写がなんともいえずユーモラスで可愛い。『それでも犬は尾をふるのです。胴体をグニャグニャになるほど、体がまるで踊るダンゴのように見えるほど振ります。』(p.89)……愛すべき桜沢氏です。