永遠の少年
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「永遠の少年」を読んだ感想
桜沢氏の他の著作とは明らかに毛色の違う、少年少女、中でも家が裕福でなく、苦しい思いをしている子どもたちへ向けて書かれた本です。
アメリカの100ドル紙幣の肖像画にもなっているベンジャミンフランクリンの一生をたどりながら、どんなに貧しく小さいころから働き小学校さえ卒業させてもらえなくても、いやそのくらいの苦労があるからこそ自由に楽しく生きていく力が養われるのだということが書かれています。
陰が転じて陽になるという理論から、陰が大きければ大きいほど幸運なのだと、読者を励ましてくれます。
初版は1952年。第二次世界大戦が終わったのが1945年ですから、戦後間もない、日本全体が貧しかったころに書かれたのだと思います。
「しあわせな自由人」になるための条件として『一文もかけずに一生よろこばれるおくりもの』(p.18)をすることがあげられていたのには納得させられました。『いつもニコニコした顔を見せること』『はっきりした返事』『美しい声、やさしい声、おかしみのある声』『机の上でも、家の中でも、家の外でも、きちんと秩序をつけておくこと』(p.19)
笑顔や優しい声、清潔にしておくことを「おくりもの」ととらえるのはとても素敵なことだし、つい忘れがちである大事な真実だと思いました。
面白いことに、「マイナスの悪いおくりもの」も紹介されています。『さわがしい音』『不愉快な咳』『鼻をすする音をたてる』『きたない格好をしている』『よごれたシャツをきている』(p.19)これらのことはよくマナーの問題として現代でもとりあげられると思いますが、マナー云々と言ってしまうとどうしても「そんなのは個人の自由だ」という発想も出てきます。けれど「マイナスの悪いおくりもの」という考え方をすれば、誰もが納得できると思うし、どうするのが一番良いのかはっきりします。
誰だって「よいおくりもの」が欲しい。ならばその「よいおくりもの」をばらまけば、皆が喜び、自分も愛されるようになる。そんな「生き方のヒント」が隠れているような気がします。
桜沢氏ご自身が貧しいところから出発し、苦労を乗り越え、楽しく自由な人生を歩まれたからでしょう。かつての自分と同じ立場にある子どもたちに、明るい声かけをしています。それを読んでいると、勤労少女ではない私でも元気になってきます。
『さあ、元気を出して! 元気がなかったら、玄米めしでも麦めしでもよいから、ボツリ、ボツリ、かんで、魚じゃないんだから湯水ばかりガブガブ飲まないで、一週間くらいでキリッとしたスマートな顔になって立ち上るんだ!』(p.124)
元気がなかったら玄米をかんで……だなんて、ユニークな励まし方です。笑ってしまいます。「立ち上るんだ!」というのも、とても熱血で……なんだか、とても温かいものを感じて、一人じゃないなと思えて、読みながら嬉しくなりました。
陰陽についての説明や基本食のことも簡潔に抜かりなく説明されています。多大なる陰(苦労)を背負ったとしても、逆にそれが陽になるのだから、陰は怖くない。いや、むしろ陰よ来たれ。そんな風に、人生に対し強気になれる一冊です。
アメリカの100ドル紙幣の肖像画にもなっているベンジャミンフランクリンの一生をたどりながら、どんなに貧しく小さいころから働き小学校さえ卒業させてもらえなくても、いやそのくらいの苦労があるからこそ自由に楽しく生きていく力が養われるのだということが書かれています。
陰が転じて陽になるという理論から、陰が大きければ大きいほど幸運なのだと、読者を励ましてくれます。
初版は1952年。第二次世界大戦が終わったのが1945年ですから、戦後間もない、日本全体が貧しかったころに書かれたのだと思います。
「しあわせな自由人」になるための条件として『一文もかけずに一生よろこばれるおくりもの』(p.18)をすることがあげられていたのには納得させられました。『いつもニコニコした顔を見せること』『はっきりした返事』『美しい声、やさしい声、おかしみのある声』『机の上でも、家の中でも、家の外でも、きちんと秩序をつけておくこと』(p.19)
笑顔や優しい声、清潔にしておくことを「おくりもの」ととらえるのはとても素敵なことだし、つい忘れがちである大事な真実だと思いました。
面白いことに、「マイナスの悪いおくりもの」も紹介されています。『さわがしい音』『不愉快な咳』『鼻をすする音をたてる』『きたない格好をしている』『よごれたシャツをきている』(p.19)これらのことはよくマナーの問題として現代でもとりあげられると思いますが、マナー云々と言ってしまうとどうしても「そんなのは個人の自由だ」という発想も出てきます。けれど「マイナスの悪いおくりもの」という考え方をすれば、誰もが納得できると思うし、どうするのが一番良いのかはっきりします。
誰だって「よいおくりもの」が欲しい。ならばその「よいおくりもの」をばらまけば、皆が喜び、自分も愛されるようになる。そんな「生き方のヒント」が隠れているような気がします。
桜沢氏ご自身が貧しいところから出発し、苦労を乗り越え、楽しく自由な人生を歩まれたからでしょう。かつての自分と同じ立場にある子どもたちに、明るい声かけをしています。それを読んでいると、勤労少女ではない私でも元気になってきます。
『さあ、元気を出して! 元気がなかったら、玄米めしでも麦めしでもよいから、ボツリ、ボツリ、かんで、魚じゃないんだから湯水ばかりガブガブ飲まないで、一週間くらいでキリッとしたスマートな顔になって立ち上るんだ!』(p.124)
元気がなかったら玄米をかんで……だなんて、ユニークな励まし方です。笑ってしまいます。「立ち上るんだ!」というのも、とても熱血で……なんだか、とても温かいものを感じて、一人じゃないなと思えて、読みながら嬉しくなりました。
陰陽についての説明や基本食のことも簡潔に抜かりなく説明されています。多大なる陰(苦労)を背負ったとしても、逆にそれが陽になるのだから、陰は怖くない。いや、むしろ陰よ来たれ。そんな風に、人生に対し強気になれる一冊です。