マクロビオティック勉強に役立つ本の紹介

マクロビオティック「自然療法」

マクロビオティック「自然療法」
マクロビオティック「自然療法」
久司 道夫(著)
価格: ¥ 2730 (税込)
出版社: 日貿出版社 (1999/06)
「マクロビオティック「自然療法」」を読んだ感想
アメリカで刊行された本の日本語訳版です。序盤ではアメリカ医学会の抱える問題点が明らかにされ、外から見ただけでは想像もできないアメリカの暗部に驚きました。(『中西部のある大きな州立病院では、受診者のほとんどが貧困者であるが、この十年間に母乳で子育てをする母親の数は99%から1%に減少した』(p.4)など)

アメリカの医学博士の序文の中で、マクロビオティックに対する説明に『「血液の質を変えるのは可能だ」とするのは、おそらく西洋医の血液を凍らせる陳述であろう』(p.12)とあるのが、いかにも西洋的なジョーク風の表現で新鮮でした。マクロビオティックを西洋の目から見るとまさに「血も凍る」ような驚きに満ちているのだろうなあと思わされます。

本書の内容は、全体を通してとても医学的で、「消化器系」「呼吸器系」「循環器とリンパ系」「内分泌系」「神経系」「生殖器系」のそれぞれの臓器の仕組みや陰陽、何が原因で病気になるか、それを治すにはどんな食事を摂ったら良いかが簡潔に解説されています。

内臓の図もよく出てきて、さながら医学書のようです。内臓の陰陽が図入りでここまで詳しく解説されている本は他にないので、とても勉強になります。

また、手相や性格、声などによる病気の診断法、「望診」と呼ばれる『身体の外層部の状態から内部の状態を理解する』(p.76)方法が掲載されており、自分や他人の病気を見抜くのにとても役立ちます。たとえば頬にニキビができていれば肺に脂肪がたまっているなと判断できたりします。

食物療法、食物と体の関係を、自分で根本から理解するための本です。ここまで勉強なさった久司氏に脱帽の思いです。誰かに食のアドバイスをしたいと思っている方なら必読の書でしょう。

本書のおかげで、より自分の体の状態を客観的に把握できるようになり、適切な食物も選びやすくなったと思います。手当て法もわかりやすく紹介されていますし、食物療法をご自分で独学で実行なさりたい方にも最適だと思います。

久司氏の食物療法実践法の根拠となる内容ですので、「THEマクロビオティック」(食物療法の実践編)を読もうと思っていらっしゃる方は、その前に本書を読んでおくことを強くお薦めします。本書を踏まえないと、「THEマクロビオティック」は理解が難しいと思います。

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593ページもあって読むのが大変です。医学事典のように、食事療法に特化した内容です。『病気と症状』というページが300ページ以上もあります。読んでいて、自分は医者になろうとしているのだろうか、なぜこんなにたくさんの病気について勉強しているのだろうとなかば疑問になってくるほどです。

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マクロビオティック羅針盤」運営者の遠藤です。

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マクロビオティック的に最もお勧めしたい献立「おにぎり・ごぼう汁定食」について「栄養学からも検証済み! 失敗しないマクロビオティック献立は?」で解説しています。

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北海道旭川市在住。お茶の水女子大学卒業。

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