エルバステラ
2013年7月にオープンした富良野のオーベルジュ(宿泊設備を備えたレストラン)、
エルバステラ。

↑2013年の10月下旬から本格的なレストラン営業が始まっていますが、その前に試運転的に行われた「ランチ会」に行ってきました。(追記:2016年現在、レストランだけで利用できるのは冬季のみに限定されています。)
いただくのは、「やさいイタリアンランチコース」。前菜、パスタ、メイン、デザート、パン、コーヒーで一人3000円という内容です。
早めに到着したら…

↑開店時間(11:45)の十分ほど前に到着してしまったのですが、中に入れていただけました。全三組のお客さんのうち、私たちが一番のり。
ランチ会開始時刻(12:00)まで少し時間があり、座って待たせていただこうと思っていたところ、オーナーの奥さんから宿泊施設(全三室)を案内するとの申し出が。
フラフラだったが良い機会
朝からこのランチ会のために何も食べておらずフラフラで、具合が悪くなってきていたほどだったので、私は遠慮させてもらいたかったのですが、一緒に来ていた母が快諾してしまい、流れで私もついていくことに。
……こうなったら、これも良い機会と割り切った方が良いか。意を決して客室に向かいますが、客室スペースに向かう途中の階段を上がる前に「靴を脱いでほしい」との指示が。なるほど、宿泊スペースは土足厳禁なんですね。
けれど、床が冷たくて、ストッキングの足が凍える~。具合の悪さに拍車がかかる~~(泣)。
「スリッパはないんですか?」と聞いたところ、「宿泊のお客様にはスリッパを履いていただくのですが……」と言いながら、奥さん自身もソックスだけの足で元気に私たちを先導してくださいます。
……スリッパ、履かせてくれ~~(笑・泣)。
部屋1・「Chic」(シック)

↑もう、ここは開き直るしかない。心頭滅却すれば床もまた温かし。というわけで部屋その1「Chic」(シック)。二人部屋。真っ白で無機質な感じの室内は、お洒落な美容室を思わせます。

↑高い天井にシーリングファンが回っています。

↑お風呂はこんな感じ。
部屋2・「Modern」(モダン)

↑部屋その2。「Modern」(モダン)。四人部屋。部屋内の螺旋階段で一階と二階がつながっており、ベッドは各階に二台ずつあります。

↑二階のソファーセット。

↑お風呂は一階にあります。なんだか格調高い感じのお風呂です!
部屋3・「Classical」(クラシカル)

↑部屋その3。「Classical」(クラシカル)。二人部屋。女性的でゴージャスな内装。

↑この部屋の目玉、「猫足のバスタブ」です。
席に着く

↑ひとしきり部屋を見終えた頃には12:00近くなっていました。ようやく、ようやく席に着けます! まず目につくのがこのカッコイイランチョンマットですが、聞いたところ、アメリカのチルウィッチというブランドのものなのだそうです。

↑おしぼり受けもガラス製でお洒落! ふらの硝子製。

↑グラスに注がれた水は富良野の湧水原始の泉。癖のない、スッキリとした美味しい水です。
ショコラって、チョコ?

↑本日のメニューが配られました。美味しそうな内容に期待が膨らむ中、メニューの最初、「ホワイトショコラのムースとサニーショコラの冷製スープ」というものにだけは不安を抱きました。
ショコラって……チョコレートだよね? 一番最初にチョコレートのスープが出てくるの? 空っぽの胃にいきなりチョコレートってきついね……なんて母と話しながら心の準備をしました。
そして、いざそのスープが出てきて……。

↑運んできてくださった店員さんにビクつきながら聞きます。「あの、ホワイトショコラとサニーショコラって何ですか?」すると店員さん、「とうきびの品種です」と……。
え??
な、なあんだ、とうきびだったのか!! ショコラなんていうからてっきりチョコレートだと思っちゃったよ。というわけで安心してパクリ。
……お、美味しい~~!!
とても濃くて甘いとうきびの味。

↑白と黄色の二層になっていて、見た目も綺麗。
トマトジュレ、鮃のカルパッチョ

↑次は、これまた美しい! 前菜の「自家菜園のトマトの雫のジュレと鮃のカルパッチョ」。
トマトの他、ボリジ(皿左下の紫の花)やオレガノも自家菜園のものを使っているそうで、富良野の自然が皿の上にそのまま運ばれてきたようで素敵です。

↑中央にあるトマトのジュレにはホッキ貝のソテーも封じ込められていて、何重にもなった旨みが口に広がります。仕事が丁寧です。

↑鮃(ヒラメ)も野菜も新鮮!
パンは道産小麦使用の自家製

↑次に「紅あずまとチーズのパン」が出てきました。こちらも富良野産はるゆたか(小麦粉)を使った自家製。添えられているのはイタリア産のエクストラヴァージンオリーブオイル「イトランズ」です。

↑皮はパリパリ、中ふっくら。ほんのり温かくて、美味しい~! 見えにくいですが、さつまいもとチーズが入っています。爽やかな香りのオリーブオイルがよく合います。
このパン、おかわりをいただけたら嬉しいな~と思って聞いてみたのですが、「のちほどまた新たにパンが来ますので……」とのこと。おかわりを受け付けるシステムではなく、コースにあらかじめ複数個のパンが組み込まれているようです。ではそれを楽しみに待つとして……。
生パスタ!

↑続いて「毛蟹とホタテのタリオリーニ トマトソースに蟹みそのクリーム」
こちら、道産小麦粉を使った手打ちの生パスタです。
断面が正方形の「キタッラ」という種類の麺で、初めて食べましたが、コシがあって濃厚なクリームによく絡み、とても美味しかったです!
このパスタに使われているイタリアンパセリとズッキーニは自家菜園のもの。上にかけてあるのは北海道興部町ノースプレインファームのゴーダチーズ。素材へのこだわりが光ります!
パン

↑パスタの次に出てきたのはパンその2。パンの中にはかぼちゃの種。上には玉ねぎスライスがのせられています。これも美味しい~。

↑続いてパンその3。くるみのパンです。おかわりするのではなく、こうしてあらかじめお店が数種類のパンを用意してコースに組み込んでくれているというのは面白いですね。
メイン料理に向けて

↑メイン料理に向けて新しくセットされたのは、新潟県山崎金属工業のカトラリー。メインへの期待感が高まります!
かみふらのポーク

↑そして、やってきましたメインの「carne」(カルネ:肉)「かみふらのポーク バラ肉と根菜のボッリート 自家菜園のルッコラのバニェット添え」。
シンプルで美味しいコンソメスープに、かぼちゃ(中富良野産「くりゆたか」)やじゃがいも(美瑛産「インカのめざめ」)、玉ねぎ、にんじんなどがゴロゴロ。
スープの旨みがしみた豚肉も美味しかったです!(ただ、私は肉の脂身が得意でないので、食べられず残してしまった部分も多く、そこはシェフに申し訳なかったなと思います。)
デザート

↑ラストはデザート。「金時豆と抹茶のタルト 巨峰とマスカルポーネのジェラート バターナッツカボチャとヘーゼルナッツのジェラート」。
タルトもジェラートも濃いです。一品一品、手が込んでいるし、ボリュームもあって嬉しい!
欲を言えば、全体的に「甘くクリーミー」な感じで似通った味だったので、もう少し違った味わいのものも混ぜていただけると最後まで新鮮な気持ちで食べられたかな? なんて思います。

↑コーヒー。熱々で、香りが高くて、深煎りな感じで苦めなのが甘いデザートにぴったり。食後のおしゃべりも弾みました。お腹も満ちて、最初の具合の悪さもなくなり、心身ともにに無事復活!
店の前の草花

↑会計を済ませてから、すぐに車に戻らず店の前の植物を観賞していると、奥さんが出てきて説明をしてくださいました。

↑こちら、ミント。繁殖力が強く、植えると勝手にどんどん増えていくのだとか。

↑このイタリアンパセリは今日食べたパスタにのせてあったもの。お店の前の菜園で料理に使う野菜を育てているというのは飲食店のあり方としては理想であるように思います。
食べる側としても出所のはっきりした食材を食べられるのは安心感があってありがたいです!

↑まだ走り出したばかりのオーベルジュですが、今後も末永くこの地で頑張っていただいて、「旭川・富良野・美瑛」地区を代表する施設になってほしいです!(
料金・宿泊プラン一覧はこちらから)。
お店の方が、料理に対するどんな質問にもテキパキと答えてくださるのが頼もしかったです。
けっこう、食材について聞いたりしても、答えられない店員さんがいるレストランも多いですからね……。
エルバステラは、さすが「作り手=料理の運び手」だけあって、そのへんが安心できて良かったです!
料理は、総じて美味しかったですが、特に手打ちパスタは一度食べてみる価値あり!!
料理ごとにカトラリー(フォーク、ナイフ、スプーン)を取り替えてくれるのは、地味に嬉しかったです。それって、高級レストランのサービスですよね。カジュアルな店の多い北海道ではなかなか体験できないことです。
ラベンダー園に近い立地で、富良野を中心とした観光を楽しもうと思っている方の宿泊場所としてもぴったりかなと思います。