ドゥプラ
2013年の1月にオープンした、住宅街にあるフレンチレストラン「ドゥプラ(2Plats)」に行ってきました!
↑オーナーシェフの斉藤雅之氏は、オーベルジュ「フェニックス洞爺クラブ」のシェフを八年間務め、『洞爺湖サミットで各国の要人をもてなした実績』(*1)もある実力派。
そんな凄腕が旭川に店を開いてくれるなんて嬉しい。どんな美味しい料理が出てくるのか楽しみ!
フォアグラが苦手なのだが
しかし! ちょっとした懸念点もありました。それは、フォアグラが出てくるかもしれないということ……。
食べログや個人ブログで「ドゥプラ」の料理を見ていると、たまに「フォアグラ」を使ったものが出てきています(「メークインとフォアグラのテリーヌ」など)。
私はレバーやフォアグラなど、内臓系が得意ではないです。だからもし出てきたら残すしかない。
苦手食材
メニューは固定で月替わり(*2)だと聞いています。(参考:*1,*2旭川ミニぐるめ情報)
どうか、今月のメニューにフォアグラが入っていませんように……と願いながら予約の電話を入れたところ、意外なことにあちらから「苦手な食材はありますか?」と聞いてくださいました!
えっ。そういうリクエストを受け付けてくれるお店なの? と驚きながらも、「フォアグラやレバーのような内臓肉系が苦手です」と伝えました。
これで配慮いただけるのだろうか? 一体、実際にはどんなメニューになるんだろう? ドキドキしながら当日を迎え、お店に出向いてみると……。
フォアグラなしでありがたい
↑席に置いてあったメニュー内に「フォアグラ」の文字はなし! 今月のメニューに元からフォアグラは入っていなかったのか、苦手と伝えたから取り除いてくださったのかはわかりませんが、とにかく良かった!
おしぼり無し
↑料理が来る前にテーブルに並べられたのはこちら。おや? おしぼりは来ないのかな? 珍しいな。
スープ、アミューズ
↑おしぼりはないままに、「きのこのスープ」「本日のアミューズ」が運ばれてきました。まあ、おしぼりはなくてもなんとかなるかな? と気を取り直し、皿を見つめます。左は「きのこのスープ」。で、右は……? 「本日のアミューズ」というけれど、これは一体何?
と思って、料理を運んできてくださった女性店員さんに聞いてみると「ピザです」との答え。
ピザ
↑ピ、ピ、ピ、ピザ?? こ、これ、ピザなの? 「ピザなんですか?」と驚いて聞くと、「はい」と店員さん。
……いやあ、これ、どう見てもピザではないよね……と思いながらも、まあ、ピザっていう料理名なのかな……と自分を無理矢理納得させて食べ始めたら、一度下がっていた店員さんが戻ってきて、「すみません、これ、ピザではなく、チュロスでした」と言います。
あ、あ~、チュロスか。やっぱり、ピザではないよね……(笑)。真実がわかって良かった。
「チュロス」は、チーズがたっぷり練り込まれた生地を油でサクサクに揚げたような、塩気の強いスナックでした。夜、酒のつまみとして洋風居酒屋なんかで出てきそう。
↑こちら、「きのこのスープ」。ミルク仕立てのスープに細かく刻んだエリンギらしきものが入っています。上にかかっているのはカレー粉。スープをすすったときにこのカレー粉が喉の奥に飛び込んできてむせそうになりました(笑)。
パンを食べるのにおしぼりが欲しい
↑次に来たのが「パン」。温かくて美味しそう……! なんだけれど、このパンを手づかみで食べるのにおしぼりで手を拭いていないというのはやっぱりちょっと抵抗があるなあ……。
そこでダメ元でさきほどの店員さんに「おしぼりっていただけますか?」と聞いてみました。
↑すると、案外あっさりと持ってきていただけました。これは……私たちのテーブルにだけ配り忘れていたのか、それとも、希望者にだけ渡すシステムなのか……。再度行ってみないとわからない謎です。
美味しいフランスのパン
パンですが、これ、とっても美味しかったです! 皮は薄くてパリパリ、中はフワフワ。バターの香りがします。今までレストランで食べたパンの中で一番美味しい!
あとでシェフに伺ったところ、フランスから冷凍パンの状態で輸入し、お店で温めて出しているものなのだということでした。焼き上がったパンの状態で輸入しているとはかなり予想外です! つまりドゥプラのパンはフランスの味なのですね。
前菜
↑続いて前菜の「サンマのスモークとテクビイカ タルト仕立て 色々な野菜」。うわあ~、これ、綺麗~! 洞爺で腕を磨いたシェフの本領発揮ですね!
↑パイ生地の器の上に、サンマのスモーク、その上にソテーしたイカが載っています。サンマのスモークは初めて食べましたが、基本的にスモークサーモンに通じる味わい。身がきゅっと締まっていて、噛みごたえがあるのが良いです。
マッシュポテトが隠れてた
↑そして、サンマのスモークを持ち上げてみると第1のサプライズ! 中にマッシュポテトが入っていました。え~、こんな仕掛けがあるなんて面白い。パッと見ただけではわかりませんよね。
サクサクのパイ、プリプリのイカ、サンマのスモーク、マッシュポテトを同時に口に運ぶと、それぞれの風味が合わさってとても美味しいです!
野菜の名前
↑こちら、同じ皿に盛られていた「色々な野菜」。右奥にあった紫の野菜が気になって、先ほどの店員さんに聞いてみましたが、即答は得られず、一度下がってシェフに答えを聞いてから戻ってきて「紅しぐれ大根です」と教えてくださいました。
どうやら、料理に使われている食材についてあまり知識のない様子の店員さん。ここまで素敵な料理であれば食材について色々聞きたくなるのが道理なのに、なんだか惜しい!
カボチャのサラダ出現
↑……と思いつつも野菜たちを食べていると、第2のサプライズ! なんと、野菜の山の中からカボチャのサラダが現れました。
掘ると何かが出てくるドゥプラの料理。楽しい!
メインは鴨
↑さて、次はメインの「鴨のコンフィと洞爺の野菜 ポトフ風」。
↑たっぷり粒マスタードつき。これをお好みで鴨につけながら食べると良いとのこと。
皮が香ばしく、塩で下味がついた鴨肉もジューシーです。マスタードをつけると、適度な酸味が加わってまた美味しい。
大根登場
↑そうしてスープを食べ進めていると、第3のサプライズ! チンゲンサイやごぼう、舞茸、白菜の奥に、大根登場(笑)。
え~っ、大根なんて入っていたんだ。鴨肉に隠れて見えないようになっていました。スープがよくしみています!
デザート
↑そして「本日のデザート」。詳細を聞きたかったのですが、先ほど「紅しぐれ大根」を即答いただけなかったこともあり、聞いたところでご存じないんだろうなという思いが先立ち、シェフに聞きに走らせるのも申し訳なく、聞けませんでした。
食べて、推測したところ、おそらく「洋梨の赤ワイン煮、ぶどうのコンポート、バニラのジェラート、チョコレートブラウニー」です。果物のジューシーさと、バニラアイスのクリーミーさ、ブラウニーのほろ苦さが同時に味わえてお得感のある一皿でした。
おまけデザートとエスプレッソ
↑最後、「有機豆のエスプレッソと小菓子」。マシーンで抽出したエスプレッソに、パウンドケーキとメレンゲ菓子、胡麻クッキーがついてきます。
エスプレッソだけでも十分なのに、こんなにおやつがついてくるのは嬉しいですね。
最初は私たちを含め三組いた客も、最後は私たちだけに。静かな店内で食後のエスプレッソを堪能しました。
エスプレッソは、店員さんが「おかわりはいかがですか?」と声をかけてくださって、二杯目をいただきました。二杯目は一杯目よりだいぶ薄かったですが、お気持ちがありがたかったです!
フランス料理というとバターや生クリームたっぷりでカロリー過多という印象がありましたが、ドゥプラのフレンチは野菜が多く、使われている油もオリーブ油系でさっぱりとしており、くどくなく食べられたのがとても良かったです。
カジュアルなサービスで肩肘張らない雰囲気ですが、このくらい手の込んだ料理を出す店ならばサービスももうちょっと高級寄りにしても良いんじゃないかな……? と個人的には思います。
予約時に苦手な食材を聞いてくださった心遣いには感動しました。コースは月替わりでがっちり決められて変更できないと思っていたので。
あと、パンは本当に美味しかったですよ!
観光としては、三浦綾子記念文学館から200メートルほどなので、文学館の帰りに徒歩で寄ってランチ……なんてのもいいなと思います。