自分だけの健康法を作ろうコラム

健康法の考案者になるということ

自分オリジナルの健康法を解説するサイトを作ろうと思い立ったとき、それは、とても簡単なことのように思えた。

健康法の骨格は完全に決まっていた。『一日に一食、「玄米・ごぼう汁基本食」を食べたら、あとは何を食べても自由』。

その内容を詳しく書くだけ。ものの三~四ヶ月もあれば完成するだろう。そう思って、鼻歌まじりに作業に取りかかる。

サイトの構想図を書くためのノートを開き、メニュー構成を練ろうとした私は、しかし、一行も進まないままにペンを持ったまま固まった。

……書けない

なぜ? おかしい。書くことは決まっていたはずでは?

私は焦った。そう、確かに書くことは決まっていた。『一日に一食、「玄米・ごぼう汁基本食」を食べたら、あとは何を食べても自由』。だが、それ以上何を書けば良いというのだ?

レシピの内容。食材の説明。あとは? これでは1ページで終わってしまう。

花の咲く野原をスキップしながら歩いていくつもりが、急に、断崖絶壁をよじ登っていくハメになったような気分だった。

オリジナル健康法は説明が難しい

そもそも、自分オリジナルの健康法というのはとても主観的・感覚的なものであり、理屈をつけて説明するのが難しい。

「なぜこの食べ方が良いかって? それはこの方法で、自分の病が実際に良くなったから」。詰まるところ理屈はそれしかない。だがそれでは健康法の解説として不十分だろう。

だったら何を書けばいい? どこから、どのように、どうやって説明する? 誰に向けて? 何のために?

いざ書こうとすると突っかかる。私は頭を抱えた。章立てすらなかなかできなかった。

マクロビオティックを解説するときは、参考となる書籍もあったし、私は最初から読者の立場だったから、読者として知りたいポイントやわかりにくいところを押さえて書くことができた。

だが自分の健康法を解説するとなると、出典が自分だから、何を参照するわけにもいかず、自分の中からすべての答えをひねり出さなければいけない。

また、読者としての客観的な視点を持てず、何が読者にとって疑問なのかわからなくて説明の流れを決めにくい。

あまりの難しさに、私は何度も岩場の途中で立ち止まり、断崖絶壁の果てを見上げた。その頂上は雲に覆われ見えない。

……あそこまで到達できるのか? 皆目見当もつかない。

しかし。諦めるわけにはいかない。

他人の健康法を解説するという容易な道に安んじていれば楽だろうが、その平穏にも飽きた。

登り切ってやる。この断崖絶壁を。それでなければ、私の道は拓けない。

ようやく完成

そうして二年八ヶ月もの月日を費やした末にようやく、私のオリジナル健康法解説サイト「玄米・ごぼう汁基本食健康法」は、ひとまずの公開にこぎ着けた。

時間がかかりすぎて、焦りも通り越し、もう一生完成しないかもねと思いながらも黙々と登り続けて、頂上に手がかかったと思って喜んだのも束の間、その後も変なところで突っかかって完成が遅れに遅れた。

マクロビオティックを卒業してから、次のステージとなるこのサイトの完成を、私は誰よりも待ちわびていた。

自分だけの健康法を考案した者として。新たな道のりを、このサイトとともに楽しんで歩んでいきたい。