大学生のときに買って途中まで読み、そのままになっていた坂口安吾の『堕落論』を引っぱり出してきて読み直しています。坂口安吾は熱い論者ですね。
けれどその激しさは坂口安吾本人に向けられていて、聴衆のいない会場でたった一人壇上で語っているようなもので、決して読者に自説を強要することなく、一人で爆発して燃えているのが潔くて良いなと思いました。
「至情に散った尊厳」(p.103)など、独特の表現が脳みそをマッサージしてくれるようです。
こういう本もたまにはいいな。
(追記:堕落論を読んで感じたことをコラムに書きました。→『マクロビオティックと堕落論』)