何から始める? その7~マクロビオティック基本食の実践

完全穀類50%~60%、野菜20~25%、豆類、海藻5~10%、汁物5%。その他、果物や動物性食品は任意で月に数回。

マクロビオティック基本食ガイドライン

調味料や食材を良いものに切り替え、主食で食事の半分以上をまかなうことにも慣れたら、いよいよ具体的な「マクロビオティック基本食」を実践していきましょう。

健康な方のマクロビオティック基本食の内容は以下の通り(*1)になります。(病気の方は「食養療法の基本的食事内容」をご参照ください)

各種の完全穀物…50%~60%
玄米(全粒でエネルギーが高く、最もおすすめ)、キビ、ソバ、トウモロコシなど。
麺類、パスタ、パンなどの小麦粉食品が少し加わっても良い(できれば完全穀物使用)。
野菜…20%~25%
根菜類(ニンジン、ゴボウ、大根)、果菜類(カボチャ、きゅうり)、葉菜類(大根の葉、キャベツ、玉ネギ、ブロッコリ、小松菜)などをバランスよく。
調理法は、蒸す、煮る、焼く、炒める、揚げる、漬物にする、など。
豆類、海藻…5%~10%

豆類を一日に10%ほど。小豆、レンズ豆、ヒヨコ豆など小粒の豆は、油分が少なく常用に適しています。ご飯に混ぜて炊くと楽です。他、大豆加工品(納豆、豆腐、油揚げ、テンペ(インドネシア原産の大豆発酵食品)など)。

海藻は、一日に5%かそれ以下。昆布、ワカメ、ひじきなど。味噌汁の具にしたり、ご飯に混ぜて炊いたりすると良いです。

汁物…5%
毎日、小さなお椀に一杯か二杯の汁物を摂ります。味噌汁や醤油ベースの汁が、発酵微生物を摂れるので好ましいです。この汁の中に、一日分の野菜や豆、海藻をすべて入れて食べるという手もあります。
調味料、ふりかけ、植物油

長期醸造の味噌醤油、ミネラル分の残った天然塩、伝統的な製法で作られたを用いてください。

ふりかけには鉄火味噌や海藻を砕いたもの、ごま塩などがあります。

食べて良い果物、動物性食品

他、健康な方の場合、果物や動物性食品も、お好みで適宜取り入れてくださってかまいません。(食べなくてももちろん大丈夫です)

週に数回食べて良いもの…果物、種子、木の実、穀物や果物を材料としたお菓子、白身魚

果物は、温帯性のものにしましょう。りんご、苺、柿、梨、桃、みかん、スイカなど。できれば火を通すか、生で食べるときはほんの少し塩をふると良いです。

魚も、脂肪の少ない白身のものであれば、週に少量、数回食べても良いことになっています。

月に数回食べて良いもの…魚介類(白身魚以外、甲殻類)、卵、乳製品、肉類

白身魚は週に数回食べても良いことになっていましたが、それ以外の魚介類は月に数回にとどめます。

肉は、餌に抗生物質などが使われていないものを選びましょう。卵は平飼いの有精卵にしましょう。

いきなり頑張りすぎない~無理のない7ステップ

以上ご紹介したのが、マクロビオティック的食事の最終形態です。玄米を主食とした和食の実践ということなので難しいこともないのですが、今まで何でも食べてこられた方がいきなり上記の内容を実践しようとすると長続きしないかもしれません。

ですから、徐々に段階を踏んで、納得しながら歩を進めてください。もう一度、マクロビオティック実践の7ステップをおさらいしましょう。

マクロビオティック基本食の実践!(本項)

一番大切なのは、「続けること」です。ちょっとくらいお菓子を食べたって、ジャンクフードやスナック菓子を食べたって、基本の食事さえしっかりしていれば少しずつ体調は上向いていくということが、実体験を通してわかっています。

いきなり完璧じゃなくても良いのです。

体を健康にして心に情熱を燃やし、いきいきと楽しく生きていくために、ご自分のできる範囲からマクロビオティックの知恵を食卓に取り込んでみてください。

次項:マクロビオティック実践の留意点

さて、次の項(マクロビオティック実践における留意点は?(水分摂取量など))でマクロビオティックを実践する上で気をつけたいことを確認していきます。

(参考: *1久司道夫、久司・アヴェリン・偕代共著『マクロビオティック食事法(上)』p.74
久司道夫著『THEマクロビオティック』p.32)