マクロビオティック理論の独学に必要な心構えは?

疑問点は流さず、納得できなければ自分ルールを採用すること。また、自分が自分の指導者であるという強い自負を持つこと。

理論を学ぶときの心構え

マクロビオティック独学者の教師は本です。本の中には、著者が生きています。創始者桜沢如一氏の声だって直接聞くことができるのです。とてもありがたいことです。

けれど、ありがたいからと言って、頭を垂れてすべての指示を受け入れなければいけないというわけではありません。

イヤだったら受け入れなくて良いのです。そこに独学者の自由があります。

だからと言ってパッと見ただけで「これは違うと思う」と頭ごなしに否定するのでは進歩がありません。どんな理論もいったん咀嚼し、吟味してから取捨選択していきましょう。そうすることで、よりマクロビオティックが自分のものになっていきます。

以下に、理論学習における具体的なコツを記していきます。

コツ1:引っかかった箇所は流さない

理論を学んでいて、疑問に思うことがあると思います。たとえば「白砂糖はダメ」というルールは、当初、私にとっては大きな疑問でした。

確かに白砂糖があまり体に良くないことはわかります。けれど、なぜそこまで忌避しなければいけないのか? 納得がいきませんでした。

このように「納得がいかない」と思った点は、気のすむまで追究する姿勢を持ちましょう。「納得がいかないけれど、まあ、そういうルールっていうなら仕方ないね」と無理に受け入れると、あとになってマクロビオティック実践がストレスになってきます。

疑問は流さない。徹底的に争う姿勢を持つ。これが大事です。

私自身は、白砂糖の件に関し、根拠となる理論をあらゆる本の中に探してとりあえず頭で納得することはできました。(「なぜ白砂糖が好ましくないのか?」参照)

それを体でも納得するには実践が必要になってくるのですが、そのことはまた後で(次項:「実践のコツ」で)お話しします。

コツ2:どうしても納得できなければ自分ルールの方を優先させる

疑問を持ち、本で調べて答えを見つけても、どうしても納得できないということもあると思います。

たとえばジャガイモ。

ジャガイモは熱帯原産であるため、温帯性気候に住む日本人には陰性が強すぎ、あまり食べない方が良いとマクロビオティックでは言われています。

けれど、このルールに対してジャガイモ好きの私の母は猛烈な反発を示しました。「どうして? ジャガイモは北海道の特産だよ。もう日本のものと言えるんじゃない?」と。

そう感じて譲れないなら、自分の思いの方を大切にするべきです。

「マクロビオティックでジャガイモは避けろと言われているけれど、私はそうは思わない!」と反旗を翻すべきです。

そして、納得して、自分で編み出した理論に沿ってジャガイモを食べるのです。人間、誰かに何かを強制的にやらされるのが一番良くないです。自分はそう思わないのに、「マクロビオティックがダメと言うから……」とジャガイモを食べなくなったら、一体、心に生じた苛立ちの責任は誰が取ってくれるのでしょう?

マクロビオティックは何の責任も取ってくれません。だから、自分の考えを一番大事にしてください。それが、マクロビオティックと長くつきあう秘訣です。

コツ3:自分の指導者は自分であるという気概を持つ

たとえばマクロビオティック創始者の桜沢如一氏は、マクロビオティックの独学において偉大な教師ではあります。

しかし、そのような指導者を権威のように思って、自分を下に位置づけるのはやめましょう。

自分にとっては、自分が一番の指導者です。自分が自分にくだす決定以上に力のあるものなどありません。マクロビオティックという真理の前には皆が平等なのだという意識を持ち、堂々としていましょう。

そうすることで、軸を常に「自分」に保つことができます。振り回されないので、落ち着いて理論の学習を進められます。

次項:実践のコツは?

こうして本で知識を得ながら、実践を積んでいきます。次の項(独学におけるマクロビオティック実践のコツは?)ではマクロビオティック独学における実践のポイントについて説明します。