玄米・ごぼう汁基本食健康法とは

だるさ、微熱、疲れやすさを改善~ごぼう汁に陽性化の仕掛け

陰性症状の改善

玄米・ごぼう汁基本食」は、陰性ぎみな私の体を元気にするように強い陽性の食事内容になっています。

ですから、虚弱、疲れやすさ、疲労から来る息苦しさ、全身のだるさ、冷えなどの陰性症状を改善する力が期待できます。

「ごぼう汁」の陽性化の仕掛け

この「玄米・ごぼう汁基本食」において陽性化の要(かなめ)となるのがごぼう汁(レシピはこちら)です。

ごぼう汁には虚弱(陰性)な体を元気(陽性)にするためのマクロビオティック的な仕掛けが五つ施されています

【ごぼう汁に施された陽性化の仕掛け】
  • 1.具をごま油で炒める
    →油で高温になるので陽性化。
    →ごま油は、油の中では陽性。
  • 2.ごぼう、にんじんを必ず入れる
    →ごぼう、にんじん(根菜類)は、野菜の中ではかなり陽性。(玉ねぎ、かぼちゃ、昆布も陽性)
  • 3.長く煮込む
    →長時間(陽性)火にかける(陽性)ことで陽性化。
  • 4.味噌を使う
    →味噌は陽性。
  • 5.生姜を必ず入れる
    →陽性の強い料理に少しの陰性(生姜)を加えることでより陽性の力を強める。

よって、食べると、とても元気が出ます

陰性体質(北方生まれ・育ち、女性、痩せ、筋肉が少ない等)の人には特におすすめできます。

ファイトケミカルが溶け出ている

また、野菜に含まれるファイトケミカル(抗酸化作用、抗ガン作用、免疫細胞活性化)は、熱を加えて、『ある一定時間、煮出し続けると、その効力の8~9割が煮汁に溶け出』すとされています。(*1)

すなわち、ごぼう汁の、多くの具材を生姜とともに炒めて長時間煮込むことで出てくる旨味たっぷりのエキスには、他の料理にはない特別な薬効があるのです。

ごぼう汁だけが病気治しに効果

ごぼう汁は、病気治しに効いたと感じた唯一の料理でもあります。

私は2009年の夏に、短期間のうちに何度も体調を崩したことから、ひどい低抵抗力・低免疫力状態に陥りました。

(このときのことについて詳しくは「マクロビオティック実践の果てに」参照)

常に体が極度に疲労しており、息苦しく、熱があって、体もろくに起こせない日々が続きました。

これを食養生で治そうと決意したのですが、そのときはまだ「玄米・ごぼう汁基本食健康法」を確立してはおらず、そこまで「玄米・ごぼう汁基本食」にこだわってはいませんでした。

普通の味噌汁では効かなかった

暑い季節でしたから、さっぱりとした「三つ葉、豆腐、なめこの味噌汁」や、「きんぴらごぼう」「かぼちゃ玄米がゆ」などをよく食べていました。↓

↑こんな感じです(2009年8月22日の日記参照)

「三つ葉」も緑黄色野菜で栄養があり、体には確かに良いはずですし、「ごぼう」「にんじん」「かぼちゃ」「梅干し」など、「玄米・ごぼう汁基本食」に入っているような食材も摂っていたわけです。客観的に見れば、いかにも健康的な献立です。

しかし、何日経っても体調に良い変化がありません。やはり、ごぼう汁の方が良いのだろうかと、試しにごぼう汁を食べてみたところ、なんとも、胃の底から力が沸いてくるような感覚を得たのです。

力が入らずふにゃふにゃしていた体に、一本スジが通ったような感じがしました。……これだ、この病気を治すにはごぼう汁しかない!

他の料理ではダメだったのです。病気改善に向けての手応えを感じたのは、唯一、ごぼう汁だけでした

必須具材の詳細解説

【ごぼう】
ごぼう

ごぼうは、「ごぼう汁」の象徴たる野菜です。この汁物に最も欠かせない食材をレシピ名に採用しようと思い、選んだのがごぼうでした。

その陽性度の高さ(一般に手に入る野菜の中では最高*2)が、ごぼうを重要視する一番の理由です。ゆるんで弱っていた体をシャキッと引き締め元気にしてくれる作用が強いです。

100g(約1/2本)中に5.7g(*3)も含まれるイヌリン、ヘミセルロース、リグニンなどの食物繊維が大腸を掃除して便通を促してくれます。

また、中でもリグニンには「ガン細胞の発生を予防」(*4)するはたらきがあります。

【にんじん】
にんじん

にんじんも、ごぼうに次ぐ陽性度を誇ります(*2)。

『人体に必要なビタミン約30種、ミネラル約100種類』(*5)が含まれる栄養価の高い野菜です。

特にカロテン(腸で吸収されビタミンAになる)が豊富 で、にんじんを2/5本(約80g)摂れば一日のビタミンA所要量(レチノール当量で540μg~600μg)が満たされてしまいます。(*6)

ビタミンAには皮膚や粘膜を健康に保つはたらきがあります。

【たまねぎ】
玉ねぎ

玉ねぎの辛み成分硫化プロピルは、長時間の加熱でセパエンという成分になります

玉ねぎを炒めて長時間煮るごぼう汁には、このセパエンが多く溶け出ていると考えられます。

セパエンは中性脂肪値・コレステロール値を下げ、血液をサラサラにします(*7)。

【小松菜】
小松菜

小松菜はビタミンA、カルシウム、鉄分、ビタミンK、ビタミンCなど、主要な栄養素が豊富に含まれた非常に優秀な野菜で、特に鉄分(100g中2.8mg)、ビタミンK(100g中210μg)の含有量は野菜の中でもトップクラスです。

鉄分は赤血球中のヘモグロビンを作る材料ですから、これを十分に摂ることで鉄欠乏性の貧血(貧血全体の70%を占める*8)を防ぎます

ビタミンKは血液凝固(止血作用)、骨の再石灰化に関わっています。

【かぼちゃ】
かぼちゃ

かぼちゃは、ごぼう汁の「華」。その甘みが汁に溶け、ごぼう汁を美味しくしてくれます。

カロテン(ビタミンA)、ビタミンE、ビタミンC、食物繊維を多く含み、栄養価に富みますが、その中でも特に注目したいのはビタミンEのγ(ガンマ)トコフェロールです。

γトコフェロールの含有量は、野菜ではかぼちゃがトップ。γトコフェロールにはガンや老化の原因となる活性酸素を除去したり、血流を改善して肌荒れや冷え性を和らげる働きがあります(*9)。

かぼちゃは冬場には国産のものが入手しにくくなるので、そのようなときは入れられなくても仕方ありませんが、可能な限り使いたい食材ではあります。

(生の国産かぼちゃが手に入らないときは冷凍国産かぼちゃを使うのも一つの手です。こちら、甘くておすすめ。↓)

(この冷凍かぼちゃの使用感想について詳しくはブログ(日記)記事『有機冷凍かぼちゃで煮付けを作ってみた』参照

【きのこ類】
きのこ

きのこ類(しめじ、干し椎茸)もごぼう汁には欠かせないものです。

良いダシが出ますし、栄養面においても、植物性の食事だけだと不足しがちなビタミンDの摂取が見込めます。

ビタミンDにはカルシウムを骨に沈着させるはたらきがあります。

また、しめじや干し椎茸には抗酸化作用、抗腫瘍作用があり、椎茸に含まれる「レンチナン」には抗ガン作用があります。(*10)

【昆布】
昆布

昆布は海の野菜。カルシウム(100g中710mg)、βカロテン(ビタミンA)(100g中1100μg)が豊富です。

乳ガンの発生を抑える他、『血中のコレステロール値をさげ、高血圧をおさえ、動脈硬化を予防し、脂肪の代謝をよくする働き』(*11)があります。

また、海藻に含まれる「アルギン酸ナトリウム」は放射性ストロンチウムを体外に排出します(*12)。

【生姜】
生姜

生姜は、ごぼう汁において最も陰性な食材で、上述したように、陽性の強いごぼう汁の中に少し加えることでより陽性の力を強めるはたらきをしています。

また、長く生薬として使われてきた歴史があり、鎮吐作用、健胃作用、殺菌作用、抗酸化作用(*13)など、さまざまな薬効があります。

【味噌】
味噌

味噌は陽性度が高く体を温め元気にしてくれます。

また、実験により、『肺癌、胃癌、乳癌、肝臓癌、大腸癌の抑制効果』、『抗酸化作用、活性酸素消去活性』(*14)があると認められています。

味噌の熟成度が高いほど上記のような薬効も高いとされているので、長期熟成の味噌を選ぶのが重要です。

【ごま油】
ごま油

ごま油は、油の中では最も陽性。

そのごま油で具を炒めて高温化させることにより、ごぼう汁の陽性度をさらに高めます

また、ごま油にはゴマリグナンという優れた抗酸化成分が含まれており、老化防止に役立ちます。

肝機能保護、自律神経改善、血糖値上昇抑制、高血圧改善作用もあります。(*15)

化学溶剤を用いない、伝統的な「圧搾法」で作られたごま油が安全です。

食材を豊富にする理由

以上のように様々な栄養価を持つ食材を組み合わせることによってごぼう汁は陽性化作用があるだけでなく総合的にバランスのとれた汁物になっています。

使う食材の種類を増やした方が良いというのは、にんじんりんごジュースに頼りすぎて栄養失調になった経験からも感じていることです。

にんじんは、上述したように体に良いことで有名な野菜です。しかしそれだけの優秀さを誇るにんじんをもってしても、単一では健康を保つことができなかったのです。

栄養失調状態から回復するのに効果したのは、種々の野菜、海藻などを色とりどりに組み合わせてたっぷりと食べることでした

つまり食材の種類を豊富にすることも、ごぼう汁の外せない大切なポイントとなります。

美味しい!

そして、このごぼう汁は、具材を煮込んで出たエキスが良いダシとなっており、とても美味しく、毎日食べても飽きません。

お腹をぺこぺこに空かせて、熱々のごぼう汁をすすってみてください。本当の「滋味」がわかります。体にしみわたる美味しさです。

ごぼう汁は、毎日の基本食にふさわしい、信頼に足る汁物です。

次項:栄養価を高める副食物

次項「玄米ご飯に「梅干し・海苔・納豆・ごま・漬物」をプラス」では、玄米についてと、栄養価をより高めるため玄米ご飯にプラスした副食物について説明します。

参考文献:
*1 高橋弘 「がん・放射線を防ぐ強い味方野菜スープに効能あり」『食べもの通信』No.486(2011年8月号)p.10 食べもの通信社
*2 桜沢如一著『ゼン・マクロビオティック』巻末陰陽表
*3大修館書店 『高校生のための生活学-家庭科資料と食品成分表』p.179
*4『リグニンが発ガンを抑えるゴボウ』『ゴボウ 食の栄養
*5 石原 結實著『医者いらずのにんじんりんごジュース健康法』p.65
*6 第六次改訂日本人の栄養所要量について、大修館書店 『高校生のための生活学-家庭科資料と食品成分表』p.189
*7『タマネギ健康法』
*8『鉄分不足による貧血』
*9『すこやかサプリ情報局
*10『きのこ-健康とのかかわりを科学する
*11,*12久司道夫、久司・アヴェリン・偕代共著『マクロビオティック食事法 下』p.141,p142
*13『wikipedia生姜』『生姜の効能
*14『wikipedia味噌
*15サントリー健康情報レポート『ゴマリグナン