教師生活36年、母の最後の授業と花束

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母の退職花束

もうすぐ36年間の教師生活を終えようとしている母が、立派な花束を三つ抱えて帰ってきました。

一つは、職場の女性教師陣から。一つは母が所属していた学年の先生方から。

そして中央の大きな花束は、「最後の授業」をおこなったクラスの生徒たちから。

授業の終わりに、呼び止められ、花束を渡されたそうです。

このクラスの生徒に、数週間ほど前に「先生の好きな花は?」と聞かれ、「ピンクの薔薇」と答えていたそうなのですが、それは単なる質問でまさかこうして花束がもらえると思っていなかったので驚いたと母は言っていました。

母の退職花束

↑ちゃんと、ピンクの薔薇がたくさん入れられていました。

花束をもらい、何か一言挨拶しようと、「今日は最後の授業なのでちゃんと味わわなければいけないなと思っていたのですが……」と言ったところで感極まり、それ以上何も言えなかったそうです。

私にとっても節目

母の教師生活が終わる。

それは私にとっても大きな節目です。

私が生まれる前から、母は教師でした。

私は「教師である母」しか見たことがありません。

ずっと、ずっと忙しくて、夜遅く帰ってきたと思ったらすぐにソファーで居眠り。そんな日々の連続でした。

朝、イキイキした顔で出かけたのに、夜、まぶたを落ちくぼませて帰ってくる母は、まるで「出し昆布」のようでした。

良いダシは職場ですべて出し切って、出がらしになって帰ってくる……。

でも、そんな風に仕事に一生懸命な母の姿を見るのが私は好きでした。

そんな母の、教師生活が終わる。

寂しい気もするけれど、母が教師という職業をまっとうしていく姿を近くで見守れるのはとても嬉しく思います。

怖さもある

さっき、いつもの癖で「明日、授業は?」と聞いて、母から「ない」と返ってきたときに、あ、そういえば最後の授業が今日終わったんだったと思いました。

授業が終わっても、自分の席の片付けや離任式などでまだ母は学校に行きますが、淡々と、確実に、「終わり」の日は近づいています。

退職しても人生は続きます。母という人間が別のものに変わってしまうわけでもありません。

そうはわかっていても、今はまだ、少し怖い。

けれど、この大きな節目を、人生における一つの経験として味わい、乗り越えていきたいと思います。

私が生まれてから今までよりも長い年月を勤め上げた母には、本当に畏れ入ってしまいます。すごいことだと思います。

情熱的に仕事に取り組み、教師という職業の輝きを見せてくれた母に感謝したいです。

そして、母と縁あったすべての人々にも感謝しています。

新たな日々の始まりに向けて! 私も気合いを入れて頑張ります!

追記:退職後の暮らし

2017年追記:母が定年退職してから三年半経過しました。

現在、母は、毎日料理番組をチェックして、美味しそうなものがあれば「あれを作りたい」とメモし、実際に作ってくれたりします。

元々料理が好きな母でしたが、現役時代は忙しすぎて料理作りに時間を割けず、母の手の込んだ料理なんて滅多に食べられませんでした。

それが今は、毎日母が凝った夕飯を作ってくれて、私にとっては「遅れてやってきた子供時代」のような感じで嬉しいです。

私は0歳から保育所に預けられていて、その後はもちろんずっと鍵っ子だったわけですが、「家に帰るとお母さんがいて、夕食を作ってくれる」みたいな光景に憧れていました。

それが、今更実現されているような感じです(笑)。

定年退職後、どんな暮らしが待っているのかと思っていたら、案外平和な日々です。

母が現役時代は私も一緒になってゼエゼエしているような気分だったので、今は、ホッとしています。

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